私の履歴書 「都市計画」 磯崎新 [日経新聞 2009.5.11]
私たち20歳前後の人からすれば、丹下健三の「東京計画1960」や磯崎新
の「空中都市」は大昔のプロジェクトのように感じているのではないか。もし
かしたら知らない人もいるかもしれない。ここではプロジェクト内容には触れ
ないが、当時の常識から逸脱していたことは間違いないと思う。
その実現性などは疑問があるものの、大胆さや、未来の東京を考えて練ら
れたというある種の物語として未だに魅力的である。東京全体を計画する
のは古いと言われがちである。しかし2005年の発表された大野秀敏(研究
室)の「FIBER CITY /Tokyo2050」は面白いプロジェクトであるし、今の都
市・社会状況を考えれば、もう一度見直す時期に来ているのかもしれない。
(渡邉)