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治験、臨床研究のスピードや質の改善などでWG設置

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 2007年3月に策定された治験、臨床研究の5カ年計画をめぐり、厚生労働省の「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」(座長=楠岡英雄・大阪医療センター院長)は7月30日、第2回会合を開き、国民に対する治験、臨床研究の普及啓発の在り方について議論した。構成員からは、メディアへの情報提供や患者へのフィードバックなどに関する意見が出た。10月の最終報告の取りまとめに向け、同検討会では8月初旬、中核病院や拠点医療機関のネットワーク整備や、治験、臨床研究のスピードアップや質の改善などについて検討するワーキンググループ(WG)を設置。9月に開かれる次回会合では、WGの報告を踏まえて議論する。

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 5カ年計画では、(1)中核病院・拠点医療機関の体制整備(2)治験・臨床研究を実施する人材の育成と確保(3)国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加の促進(4)治験の効率的実施及び企業負担の軽減(5)その他の課題―の5つの重点項目(アクションプラン)を設定。この日の検討会では、そのうちの(3)について意見交換した。

 楠岡座長は、昨年に厚労省の研究班が実施した臨床研究に関する意識調査の結果を説明。対象となった20−60歳代の一般人約500人のうち、「臨床試験・臨床研究」を知っていた人は全体の92.0%と多かったが、20−40歳代が連想するイメージは、「人体実験」や「癒着・賄賂」といったネガティブな言葉が多かった。これらの言葉が出た原因について研究班では、新聞やテレビドラマなどからの情報やイメージの影響と分析している。
 一方、小林史明構成員(日本医師会治験促進センター研究事業部長)は、昨年に同センターなどが実施したアンケート調査で、回答した252人の一般人のうち、治験という言葉を聞いたことがある人は全体の44.4%だったことを報告。このうち、「聞いたことがあり、意味・内容は理解し説明できる」と答えたのは24.4%だった。

■メディアと研究者の間に認識のずれ

 認知度に関連して構成員からは、メディアへの情報提供の在り方について多くの意見が出た。楠岡座長は、治験を知った理由の一つがテレビドラマだったという別の調査結果を例示し、それがネガティブなイメージを与えた原因になっていると指摘。その上で、「バイアスが掛かった情報が容易に流れるシステムがある中で、バイアスのない情報を提供していくことが一番難しい」と述べた。
 また、佐藤裕史構成員(慶大医学部クリニカルリサーチセンター教授)は、意義のある研究結果が一般メディアで報道されていないとして、「個々の研究者も声を上げていくべきだ」と、研究者側からメディアに発信する必要性を指摘した。国立がんセンターの山本精一郎構成員は、「メディア側もニュースを求めているので、(メディア側の理解不足と研究者側の認識の)ギャップを埋めれば結果が出ると思う」と主張。楠岡座長は「(研究の)エビデンス度をある程度評価できる仕組みも必要ではないか」と問題提起した。


更新:2009/07/30 21:23   キャリアブレイン

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