「8月1日の試合見に来てや」とポスターを指さす安田(右)と向井=大阪市・六島ジム
ボクシング界屈指のハードパンチャー、安田幹男(26)=六島=が29日、8月1日(デイリースポーツ後援・住吉区民センター)の宮城竜太(BMB)戦へ向け「絶対KOで勝つ」と闘志を燃やした。
理由がある。2年前の夏、父・昌善さん(56)が脳こうそくで倒れた。会社も経営難に陥り、看病と仕事探しの日々が続いた。半年以上休養し引退も考えたが、父から「もう一回ボクシングせえや。仕事なら探したるし、オレもリハビリ頑張るから」と励まされ、実際に新しい職場も見つけてもらった。
父は今も闘病中で、腹水がたまり1日500ミリリットルしか水を飲めないが「減量の苦しさが分かったよ」と笑顔は絶やさない。「オレの試合が父親の生きがいになっている。勝って元気づけたい」。最高の良薬を届けてみせる。