女子高校生プロ野球選手・吉田えり投手(17)が所属する関西独立リーグ・神戸9クルーズの広田和代社長(48)は29日、神戸市内で記者会見し、中田良弘監督(50)=デイリースポーツ評論家=を解任、後任として村上真一コーチ(45)に監督代行就任を要請中であると発表した。ただ経緯について、球団側と中田監督との話に食い違いがあり、また選手サイドも球団の説明に反発を見せているため、今回の発表が騒動に発展する可能性も否定できない。
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一様に表情をこわばらせて、小声でヒソヒソ話をする選手ら。女子高生投手の吉田えりは、目にいっぱいの涙をためて、「今日はノーコメント」と話すのが精一杯だったが、その様子からも監督解任の衝撃の大きさがうかがえた。
選手はこの日、三田市の城山球場で練習。午後3時半ごろから、球場のある城山公園内の体育館会議室で、球団の木挽力GMの説明を受けた。だが、球団スタッフらが球団の会見内容を記者に聞きにくるなど、納得できる説明はなかったようで、解任に選手が反発しているという。
その後、体育館前で村上コーチが選手を集めミーティング。後半は涙をぬぐいながら選手に語りかけていた。村上コーチは「今朝10時ぐらいに監督代行の要請は受けた」とし、選手への話は「まあいいじゃないですか」と具体的には言及しなかった。
ミーティング後、「ノーコメント」とだけ言葉を発したえりちゃんは、昨年11月のトライアウトで獲得に動いてくれた同じ投手出身の中田監督から、野球選手としての精神論や投球方法などを学んだほか、肩を痛めた際には精神的にも支えてもらっただけに、だれよりも解任の衝撃は大きかった。
村上コーチは「明日も練習は予定通り」としたものの、選手の反発は根強く、関係者からは「大量退団」や「試合ボイコット」といった強硬論も出るなど、まだまだ一波乱も二波乱もありそうな気配だ。