8月18日公示、30日投開票の衆院選に、各政党はどのように臨むのか。党首にインタビューし、争点や独自の政策などを聞いた。
--衆院選の位置づけと争点は何ですか。
◆政権選択選挙であり、政権を担うに足る整合性、一貫性、責任ある政策か。政策を遂行し、実行する力があるかどうかが争点だ。
--公明党と各党との政策面での違いを挙げてください。
◆政治が非常に不信を持たれており、「清潔政治」を訴えたい。政治資金規正法を改正し、秘書が違反した場合、(国会議員に)政界から退場してもらう。民主党は(小沢一郎前代表、鳩山由紀夫代表と)2代にわたり献金偽装で問題になっている。自民党に対しても、厳しく対応する。景気・経済対策は産業政策に偏りがちになるが、GDPの60%を占めるのは消費だ。(公明党が掲げる)社会保障や福祉など生活の安心があって、初めて消費拡大ができる。
--マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ政策を裏付ける財源はどうしますか。
◆我々は与党として、常に財源を意識して政策を打ち出してきた。事業の仕分けなどで、2兆円プラスアルファはただちにできる。
--民主党のマニフェストをどう見ていますか。
◆民主党は今まで、児童手当も4回続けて拡充に反対するなど、政策が随分変わる。安全保障にしても、社会保障でも、今までのことをきちんと総括しないといけない。
--衆院選の獲得目標議席は。
◆(公認候補を擁立した)8小選挙区の完全勝利と、比例代表23議席を死守し、一つでも上乗せできるよう全力を挙げたい。与党としては過半数を制する。この10カ月間の景気、経済対策は案外、国民に知られていない。具体的に話し、評価をいただきたい。
--太田氏が出馬予定の東京12区で、民主党は青木愛参院議員を擁立しました。比例代表と重複立候補する考えはありますか。
◆重複問題は党選対などで考えることだ。私は選挙区での勝利のみを考えて走る。誰が相手であろうと、厳しい選挙戦だ。
--麻生太郎首相の発言のぶれや自民党のゴタゴタをどう見てきましたか。
◆首相自身は「ぶれた」とは思っていないと思う。まだ検討中の話が外に出て、それが首相の意図と違う場面が多すぎた。危機管理が大事だ。自民党には長い間、難局を切り抜けてきた誇りと責任を持ってもらいたい。
--選挙後、政界再編を望む声もあります。
◆自公は責任を持って、危機を乗り越えることができる勢力だ。民主党は社民党と一緒に(連立政権を組む)と言うが、安全保障面でも相当違う。共産党、国民新党とも違いがある。自公が基軸だ。
--民主党との政策協議に応じる可能性はありますか。
◆民主党には政策の一貫性と整合性がみられない。しかし、連立政権時代、ねじれ国会の中で、政策協議が行われたり、政党間で合意を形成することが必要と思った。ただし、政権(の枠組み)とは違う話だ。【高山祐】
毎日新聞 2009年7月28日 東京朝刊