--衆院選の意義はどこにありますか。
◆国民に「審判と選択」を呼び掛けている。自公政権退場の決定的審判を下そう。そしてもう一つは自公政権後にどういう日本政治をつくるのか。21世紀の日本の進路をどうするのか。ぜひ選択していただきたい。
--2大政党に焦点が集まる中で埋没する危険があります。
◆自民か民主とよく言われるが、国民は「自民か民主か」で迷ってはいない。圧倒的多数の国民に「自公政権退場」の流れができている。(両党の間で)浮上するのは力業だが、頑張れば浮上できるという手応えをつかみつつある。どういう日本をつくるかに踏み込んでいけば、おのずと共産党の値打ちが広がる。
--比例代表に重点を置いた選挙戦になりますが、目標は。
◆比例で全国で650万票以上。小選挙区では京都1区は必勝区とする。都議選は1票しかないから「自公政権ノー」が民主党に集中したが、衆院選は(小選挙区と比例の)2票ある。これを強調して「比例で共産党」を訴え、浸透している。民主党への不安もあるのだろう。流れを大きくすれば前進のチャンスは大いにある。
--マニフェストでは国民の暮らしを守る姿勢を強く打ち出しました。
◆国民の暮らしと安心、希望の両方が奪われた自公政権下の10年だった。文部科学省の全国意識調査では「この先豊かになる」は、たったの11%、「貧しくなる」は57%で過去最悪の結果だ。希望があれば現状が苦しくても我慢できるが、安心も希望もない。財界、大企業の勝手横暴を野放しにした構造改革路線が破綻(はたん)している。国民生活を守る政治への抜本的転換が必要だ。
--選挙後の民主党政権を想定した対応を明らかにした契機は。
◆直接的には都議選の結果だ。リアルに民主党中心政権ができる可能性が高い。本当は共産党も参画する民主連合政府がすぐできれば一番いいが、そういう段階には至っていない。ただ「民主党に勢いがあるから」と受け身で決めたのではない。責任ある政党としてのとるべき態度だ。
--是々非々の「建設的野党」との態度ですね。
◆(民主党とは)前向きな一致点もたくさんある。後期高齢者医療制度の撤廃や障害者自立支援法の応益負担撤廃、高校授業料無償化などだ。ただ一致できない点も多々ある。消費税増税の動きが具体化すれば、断固として反対を貫く。憲法9条改定も相いれない。衆院比例代表の定数削減は大反対闘争をやらなければならない。
--選挙後の首相指名選挙での対応は。
◆1回目の投票は独自の行動。仮に決選投票となれば、自公政権の延命を許さない手段として民主党候補に投じる可能性はあり得る。ただ無条件ではない。そこは交渉だ。
--条件は何ですか。
◆今の段階で具体的に言うのは早い。選挙戦を通じて浮かび上がるだろう。【渡辺創】
毎日新聞 2009年7月29日 東京朝刊