<シリーズ グローバル化の影で>コンゴ 鉱物資源争奪戦 前編 |
豊富な鉱物資源に恵まれた、コンゴ民主共和国。世界有数の銅とコバルトの産地、南東部のカタンガ州では、かつては国営鉱山会社のジェカミンが生産を独占していたが、独裁者モブツ元大統領による富の着服と、その後の政情不安から、瞬く間に経営破綻に陥ってしまった。現在は、世界銀行から送られてきた法律家によって再建の道が模索される一方、植民地時代からの地元企業を中心とする民間資本の流入も進んでいる。さらに外資に開放された鉱山の採掘権をめぐり、欧米の投資家や中国企業がしのぎをけずっている。 こうしたなか、鉱山の採掘現場では、地元住民が低賃金に堪え忍び、危険な作業に従事している。新たに採掘権を得た企業が提示する労働条件をのまない者たちは追い出されるが、中には鉱山は自分たちのものと主張し、勝手に鉱石を掘り出して、闇業者に横流しする者たちもいる。サッカークラブを所有し、人望も厚いカタンガ州知事は、鉱山労働者たちからは父のように慕われ、日常の不満や怒りを打ち明けられる。企業側に彼らの労働条件の改善を要求したり、鉱石の不法な取引や輸出に伴う脱税の摘発に飛び回るが・・・。ある中国人企業家が、コンゴ国籍の偽パスポートを持ち、当局も把握していない鉱山で採掘をしているという事態が発覚する。 国営鉱山会社の採掘権をめぐって、欧米諸国や中国、そして地元の民間企業はどのような獲得競争を繰り広げているのか。また、そのことが必ずしも地元住民の生活の向上にはつながっていない実態を追ったドキュメンタリー。 ----------------------------------------------------------------- ※この番組は2009年7月28日(火)18:00 〜2009年8月7日(金)まで、 NHKオンデマンド見逃し番組(有料)でご覧いただけます。 視聴お申し込みの手続き期限は、8月6日(木)までです。 詳細はこちら<<< ----------------------------------------------------------------- 原題: Katanga Business 制作: Les Films de la Passerelle(ベルギー) 2009年 |
担当者メモ
コンゴ民主共和国(旧ザイール)の旧宗主国であるベルギーのプロダクションの作品。2007年夏に放送した「歴史の闇をたどる〜コンゴ河4千キロの旅〜」と同様、構成などは若干緩いと感じる部分もあるが、普段見ることのできない現場に入り込んで、密着取材を敢行している所はさすがと言うべきか。