取材で大阪に行った。約束の時間ぎりぎりに駆け込み、猛暑のせいもあり、どっと汗をかき、シャツはよれよれ、お化粧もはげていた▼次の取材に行くためにタクシーに乗った。電話をしていたら、運転手さんは筆者が新聞記者だと気づいた。「ホントに新聞記者なんですか?」と驚いた様子。「おっとりした感じで、全然見えない」と笑いながらいう。そして「テレビ局の記者さんはよく乗せるけど」と付け加えた▼要はテレビに出てくるような「ジャーナリスト」と違うということか。おつりを70円まけてくれ、「いいことがあるように」とピカピカの10円もくれた。うれしかったが複雑な気分だった。【野宮珠里】
毎日新聞 2009年7月30日 地方版