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<MS・ヤフー>包括提携合意 最大手グーグル追い上げへ

7月29日19時36分配信 毎日新聞

<MS・ヤフー>包括提携合意 最大手グーグル追い上げへ
米国の検索エンジンのシェア(09年5月、ニールセン調べ)
 【ワシントン斉藤信宏】ソフトウエア世界最大手の米マイクロソフト(MS)とインターネット検索大手の米ヤフーは29日、ネット検索と広告の両分野で事業提携すると発表した。提携により、世界のネット検索市場でそれぞれ2位と4位のヤフー、MSは、独走する最大手グーグル(市場占有率67%、米調査会社コムスコア調べ)を追い上げる。

 MSのバルマー最高経営責任者(CEO)は「今回の提携は、顧客に重要な選択の機会をもたらすことになるだろう」とサービス向上効果を強調。ヤフーのバーツCEOも「インターネット技術革新の新時代の幕開けになると信じている」と提携合意を歓迎した。

 両社は来年前半には提携に関する手続きを完了したい考えで、提携期間は10年間。ヤフーは、MSが6月から始めた新検索サービス「Bing(ビング)」を自社サイトに採用。MSは提携後の当初5年間、検索広告事業の売上高の88%を広告掲載料の形でヤフー側に支払う。両社とも独自の広告・販売部門を維持するが、ネット検索に関連する広告事業を事実上統合する形になる。業績不振の続くヤフーは、今回の提携で年間5億ドルの増益効果を見込んでいる。

 MSとヤフーは昨年2月、MSがヤフーに対し総額475億ドル(約4兆5000億円)で買収を提案したことが表面化したが、ヤフー側の強い抵抗で断念した経緯がある。ヤフーはMSからの買収提案を受けた当時、独立を維持するためライバルのグーグルとの提携も検討したが、実現には至らなかった。昨年11月には、共同創業者でCEOだったジェリー・ヤン氏が株主から業績低迷で強い批判を受けて退任。その後は水面下でMSとの提携交渉を続けていた。

 ネット広告市場は、ここ数年急拡大しており、07年に約400億ドルだった市場規模は10年には800億ドルに倍増するとの予測もある。

 ◇検索エンジン、ビングに積み替えか…ヤフー・ジャパン

 日本国内で展開するヤフー・ジャパンの広報担当者は「検索エンジンがMSのビングに積み替えとなることが予想される。開発コストの削減につながる可能性もある。ただ、日本法人の事業については今後、個別に詰めていくことになる」と話している。同社はソフトバンクと米ヤフーが設立。海外のヤフー各社のほとんどは米国ヤフーが筆頭株主だが、日本では出資比率41%のソフトバンクが筆頭。【望月麻紀】

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最終更新:7月30日0時28分

毎日新聞

 

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