民主党のマニフェスト発表で自民・民主の批判合戦が一気にヒートアップ
民主党のマニフェスト発表で、自民・民主の批判合戦が一気にヒートアップしている。選挙関連ビジネスも、8月30日の投開票に向け、熱気を帯びている。
民主党の鳩山 由紀夫代表は27日、マニフェスト発表会見で、「公約が実現できなかったときは、政治家としての責任をとります」と述べた。
民主党のマニフェスト発表から一夜明け、麻生内閣の閣僚が攻撃ののろしを上げた。
河村建夫官房長官は「無責任なバラマキ政策であると」と述べた。
甘利 明行革担当相は「閉店セールをやっているみたいで」と話した。
野田聖子消費者行政担当相は「甘い言葉には裏があると」と語った。
与謝野 馨財務相は「(財政は)破たん状態になると思います」と述べた。
これに対して、民主党も反撃した。
鳩山代表は宮崎市で、「財源の問題を自民党さん、公明党さんに言われる筋合いはない」、「必ず皆さま方に、実現することのお約束を申し上げたい」などと述べた。
民主党の岡田克也幹事長は28日午後6時ごろ、神奈川・川崎市で、「(自民党は)民主党の政策はあーだこーだと批判ばかり。針小棒大にするわけですけれども。やっぱり堂々と皆さん、政策論議したらいい、そして国民の皆さんに判断してもらいたいと」と語った。
自民、民主が激しく批判し合う中、共産党も28日、選挙公約を発表した。
共産党の志位和夫委員長は「財源の問題についてはね、与野党ともに問われるというふうに考えまして、私どもとして載せました」と述べた。
そのほか、社民党は「生活再建」をキャッチコピーにしたポスターを発表した。
自民党は31日夕方、麻生首相が会見し、マニフェストを発表する予定で、いよいよ主な政党のマニフェストがほぼ出そろうことになる。
激しくなる選挙バトル、場外戦もヒートアップしてきた。
車体に上がり、選挙カーを作製する「車工場」の樋高準一社長。
解散が決まってから最後の追い込みとなっていた。
樋高社長は「やっとっていう感じですよね。やっと始まるっていう感じで、わさわさしてきましたね。(選挙カーを)1台のところを2台にしたいっていうご要望もありました」と話した。
ほっとするには、ある理由があった。
樋高社長は「こちらの2台はですね、昨年の9月に実際におつくりをして、そのまま置きっぱなし」と話した。
真っ白に塗ってあったはしごはさびつき、雨で黒く汚れた選挙カー。
解散がささやかれた2008年9月以降、30台以上をつくり、出番を待ち続けていた。
樋高社長は「再度メンテナンスをしなきゃいけないってことになってて、置きっぱなしっていうのはちょっとつらいとこがありますね」と話した。
進化し続けるこだわりの選挙カーは、当選率7割を誇るが、選挙がなければ活躍の場すらない。
しかし選挙日程が決まり、選挙カーは次々と戦場へ出て行った。
樋高社長は「自分の子どものようですので、ぜひ活躍の場ができてですね、とってもうれしいですね」と語った。
一方、投票用紙の分類機などを扱う「ムサシ」は、業界シェア8割を占めており、選挙事業の売り上げは倍増し、30億円に達すると見込まれている。
ムサシは、手書きの投票用紙を分類し、読み取る機械や、今回の選挙でもほぼすべての自治体で使われる自然に開く投票用紙などを扱っている。
選挙システム機器を扱うムサシは「やっと待ちに待った日がやってきたと。全国の自治体から注文が相次いで殺到しております」と語った。
選挙関連商品で高いシェアを占めるムサシの株価は、決まらぬ解散に翻弄(ほんろう)されてきた。
民主党が献金問題で揺れ、解散との見方も出た3月末以降、株価を上げ続けたムサシ。
いわゆる「鳩の乱」で麻生内閣がダメージを受け、解散が遠のいたと思われたか、一時、株価は反落した。
しかし、解散も近づいたとみられた7月初めには、2009年の最高値をつけた。
ムサシは「機械の準備もさることながら、営業活動の方でも十分な訪問ができたということで、もう万端の状態です」と語った。
場外戦の準備も整い、真夏の決戦となる投票日まで、あと33日となった。
(07/29 00:37)