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模試受験者を水増し 仙台の進学塾、最大100倍

昨年11月に実施した模試の結果。3年生の受験者は10人程度だったが、536人が受けたことにし、偏差値なども架空のデータで作り上げた

 仙台市青葉区中央の進学塾「標準全国ネットワーク仙台校」が昨年11月まで実施していた中学生向け模擬試験で、約10年間にわたって受験者数を大幅に水増ししていたことが28日、分かった。仙台だけで実施している試験を全国規模だと偽り、最大で実際の約100倍の中学生が受験したように装っていた。首都圏の私立難関高などを目指す生徒の確保が目的で、順位表なども偽造していた。同校は事実を認めている。

 同校などによると、水増ししていたのは、年3回実施する有料の学年別実力判定模試。

 受験者は各学年とも同校在籍者と外部希望者を合わせ5人から十数人程度だったが、全国に約20カ所ある系列の塾からも受験しているように見せかけ、各学年の受験者数を500人程度と公表していた。

 仙台校以外の系列校は約10年前、小学生向けのコースに特化し、中学生コースを廃止した。同時期に独立経営となり、中学生コースを残した仙台校が主催する形で模試を引き継いだ。受験者が一気に減少したため、試験の信頼性を保とうと、水増し行為を続けたという。

 同校は模試の順位表なども偽造。成績上位約60人を毎回公表していたが、同校で成績優秀だった生徒数人のほかは、五十数人分の架空の名前と点数を載せていた。順位や偏差値を不自然に見せないための内部のマニュアルも存在した。

 通っていた生徒の保護者によると、同校の模試は偏差値が高く出る傾向が見られた。別の進学塾の模試結果と著しい差があったことで不審に思った保護者が問いただした結果、今年1月に水増しを認めたという。同校は今年の模試を取りやめている。

 模試の結果は、進路相談にも使われており、保護者の一人は「塾を信用していたのに、進路の決定にまでいいかげんな資料を使っていたとは許せない」と憤っている。

 主催する模試の受験者数を水増しするなどして塾の生徒を集めたりする行為は、景品表示法の不当表示(優良誤認)に当たる可能性がある。

 仙台校の橋本邦弘代表は「受験者数を確保することで模試の信頼性を高めたかった。系列校で中学生コースがなくなった時点でやめるべきだった」と釈明している。
 同校には現在、小中学生約80人が通っている。


2009年07月29日水曜日

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