三養基郡上峰町議会（吉富隆議長、定数10）は定例議会最終日の19日、一般会計補正予算案や町長給与削減案など５議案を否決した。武廣勇平町長（30）の選挙公約だった町長給与を50％減額する条例改正案に議員が反発、予算や教育委員人事なども否決した。３月の町長選で武廣町長の対立候補を支援した議員が反発した構図で、予算が執行できない異例の事態となった。

　否決されたのは予算案、町長給与削減案、障害者のタクシー利用助成券支給条例案、教育委員人事案２件の５議案。案によって賛否の数は違うが、町長選で町長対立候補を支援した６議員（議長を除く）はいずれも反対した。

　町長給与削減案は、町長任期中の給与を35万5000円に半減する内容で、減額分を障害者のタクシー利用助成に充てる考えだった。議会では「議員報酬や職員給与、他自治体に波及する」などと反対意見が出ており、採決で賛成は３人だけ。補正予算案は上峰小運動場の夜間照明の撤去費について「修理で対応すべき」などの反発があり、賛成は２人だった。

　武廣町長は給与減額が認められなかったことについて「財政健全化の第一歩と位置づけていただけに非常に残念」と述べた。臨時議会での修正案提案については「課長と話し合い検討したい」とした。

　補正予算案には新型インフルエンザ対策費や小中学校の耐震改修工事費など、早急な対応が必要な案件も含まれている。