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所属漫才師の中田カウス(59)に対する襲撃事件などで注目を集めた吉本興業の定時株主総会が25日、大阪市内で開かれた。この日、一部週刊誌が報じた大崎洋社長(55)の個人口座の金の流れを株主が追及し、昨年の2倍近い来場者があった場内は騒然。一方で、カウスを巡る一連の事件については厳しい追及のないまま総会が終了し、株主からは不満の声も出た。
株主総会には878人の昨年を2倍近く上回る1690人の株主が参加。関心の高さを物語った。出席者によると、冒頭から経営陣に対する厳しい質問が続き、場内はヤジや怒号が飛び交う場面も。大崎社長の個人口座に関する週刊誌報道を巡り、追及の厳しさはピークに達した。
問題の記事は一部株主の証言として、2005年から06年にかけて、大崎社長の個人口座に不審な入金記録があるというもの。大崎社長は、06年に韓国の芸能プロダクションから約1780万円が振り込まれたのは「子会社に対して個人投資をしていたが、吸収合併されたので資金の返還を受けた」と説明。プライベートでの資金工面に関する入金記録も明かすなど、終始対応に追われた。
注目のカウスに関しても、クレームが出た。劇場への脅迫電話や脅迫状送付で渦中の「山本」を名乗る男について、カウスは昨年の総会で株主を収めたビデオ映像を見て「山本」を特定したとの一部報道があった。本来、公開を禁じているはずのビデオが流出したとの疑惑に、株主は「本当に見せたのか」と質問。大崎社長は「公開していないし、私自身も見ていない」と答えた。
ただ、カウスへの脅迫状に関与が疑われている前田五郎(67)や、一連の“お家騒動”に関する質問は、出るタイミングを失った。最後はある株主が「説明はよく分かった。もう腹が減った」などと言って総会は約2時間で終了。「大崎社長はなかなかの答弁ぶりだった」と賛辞を贈る株主がいれば、旬の話題が議題に上らなかったため「吉本のやらせ」と不満を漏らす株主もいた。
総会後には同社幹部が会見し、不正入金疑惑の週刊誌報道について、出版元に警告書を送ったことを発表。「誤報であり、法的手段も含めた対応を取る」と強い憤りを見せた。さらに、大崎社長の個人口座の明細が流出したことを問題視して内部調査に乗り出す可能性を明らかにするなど、火の粉が多方面に及びそうなムードだ。
(2009年6月26日06時03分 スポーツ報知)
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