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日本のマンガ、実は世界でウケてない!【その3】

DVD流通量はアメリカ1%、フランス2%程度。
かつての“バブル”はとっくに崩壊していた

◆日本アニメバブルがアメリカでは崩壊

 アメリカでの日本製アニメの歴史は長い。'60年代にはすでに『マッハGoGoGo』や『ジャングル大帝』などの日本製アニメが輸入され、地上波テレビで放映されていたのだ。

 特に日本アニメに光が当てられたのは、'85年。この年放映された『ロボテック』は、日本からライセンスを購入した『超時空要塞マクロス』『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』をアメリカ独自の脚本と編集でひとまとめにしたトンデモ作品だった。しかし、これがなんと全米で大ヒットしてしまったのである。

 このときに日本アニメの存在を知ったアメリカの青年たちは、熱狂的なアメリカン・オタクとして成長し、やがて彼らの一部は、"もっと日本のマンガやアニメを見たい"という衝動に駆られるままに、日本に買い付けにやって来るのだ。このムーブメントが起きた'02年頃の様子を、日米両国のオタク事情に詳しい翻訳家の兼光ダニエル真氏に聞いた。氏は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』などのマンガやアニメの英訳を手がけている。

「'02年頃からアメリカでは日本アニメのバブルが起きていたんですよ。この時期には、日本製の作品の権利売買だけでなく、逆にアメリカ現地の企業が製作を依頼してくることもあったほどです」

 ダニエル氏によれば、'02年のバブル以前、日本のアニメDVDは、一部のマニア向け専門店が取り扱っている程度。それがいつしか、家電量販店などでも日本アニメコーナーが拡大していき、日本のアニメなら何でも売ってしまおうという状況が起きたのだ。

「ですが、日本アニメがアメリカ市場全体を圧倒しているわけではありません。急激な成長と作品の独自性で注目されましたが、全米がアニメ好きになったわけではないですよ」(ダニエル氏)

 だが、注目が注目を呼び、膨れあがるのがバブルである。そしてそれは圧倒的な質の低下を日本製アニメにもたらすことになった。 

 正規商品なのにレベルの低い字幕や英語吹き替えなどは以前からあったが、市場が飽和してくると製品版の粗が際立って目立つようになった。経費削減の為、製作会社は「タダ同然でもいいから」アニメ・マンガ翻訳に関わりたい日本語学科のアメリカン・オタクを受け入れ、低賃金だがレベルの低い製作者が大量に生まれたのだ。その結果、質の低下は正規版DVDの商品価値を下げ、当然、コアなユーザーたちも一人、また一人と離れていき、日本アニメはアメリカ市場において供給過多の状況になってしまったのだ。

 販売数が伸び悩み始めた'07年に大手小売りチェーンの経営破綻の追い討ちで収入が大幅に縮小したアメリカの大手アニメ輸入業者は、事業縮小や倒産する事態に。アニメバブルの崩壊である。そして、日本企業の現地法人であるジェネオンUSAやバンダイビジュアルUSAもこれを機に解散している。


【兼光ダニエル真】
'72年生まれ。翻訳家。マンガ・アニメなどの翻訳を多数手がける。
新劇場版ヱヴァのほか、『ブラックラグーン』の制作にも参加




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