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選挙:衆院選 「是々非々」共産、政権入り狙う社民 民主と共闘も

 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 ◇生き残りへ、風利用

 8月18日公示、30日投開票の衆院選に向け、共産、社民両党が民主党政権誕生を前提として自党の政策に関するアピール合戦を展開している。両党はこれまで自民、民主の2大政党制に反発する形で独自色を発揮して生き残りを図ってきたが、国政選挙での獲得議席は減り続け、東京都議選でも自民・民主対決の前に埋没した。このため有権者へのアプローチの方法を転換し、民主党への追い風を利用する形で、集票力回復を目指しているようだ。【田中成之、西田進一郎】

 共産党は、民主党政権と是々非々の立場で個別政策の協議に臨む「建設的野党」を宣言した。05年衆院選以来のキャッチフレーズは「たしかな野党が必要です」。都議選でも「対立軸は『自公民のオール与党か共産党か』だ」(志位和夫委員長)と訴えたが、結果は13議席を8議席に減らした。志位氏が「建設的野党」を宣言したのは都議選直後の16日の記者会見だった。

 志位氏は共産党の「総選挙政策」を発表した28日の記者会見でも民主党のマニフェスト(政権公約)を詳細に分析してみせ、「官僚支配の打破は言っているが、財界支配、米国による支配の打破の立場がない」などの問題点を指摘した。一方で、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止、高校授業料の無償化では「一致できる」と指摘。「民主党中心の政権ができれば、建設的野党として良いものには協力し、間違った方向にはきっぱり反対する」と民主党へメッセージを送った。

 こうした方針転換には、民主党も期待を寄せる。共産党は前回275選挙区で公認候補を擁立したが、今回は152選挙区に減らした。共産空白区の民主新人は「行き場を失った共産票が流れてくる可能性が高まった」と皮算用する。

 社民党は民主党との連立政権入りを見込んでいる。共産党との違いは民主党への影響力の強さだ。民主党は参院で過半数を確保しておらず、政権を獲得した後も社民党の協力が不可欠だ。

 「日米地位協定は抜本改正。社民党は民主党にそういうことをきちっと言い続ける。だからこそ、社民党の存在意義がある」。社民党の福島瑞穂党首は28日の記者会見で、民主党が対米配慮から地位協定の改定方針を後退させたことに苦言を呈した。

 協力と引き換えに、外交安保政策や労働法制などで民主党に条件を突き付けるやり方だ。だが連立政権の可能性が高まる中で、早期に協力条件を確定してしまうことには慎重だ。解散直後の22日の会見で福島氏は「連立協議をきちんとやるのは選挙後。今、断定的には言えない」と、言葉を濁した。

毎日新聞 2009年7月29日 東京朝刊

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