第91回全国高校野球選手権島根大会は18日、松江市営野球場、県立浜山球場で計7試合が行われた。今春のセンバツに出場、初の大会4連覇を目指していた開星が初戦で松江農林に敗れる波乱が起きた。松江農林は終始、試合を優位に進め、粘る開星を振り切った。【目野創】
【県立浜山球場】
▽1回戦
江津
011006003=11
00240105×=12
松江東
(江)千代延、岩井-林
(松)鳥本、竹谷、鳥本-利見
▽二塁打 山下、梅木(江)利見、伊藤、金村、鳥本、竹谷(松)
激しい打撃戦で、一進一退を繰り返した。松江東は八回2死満塁、竹谷の走者一掃の3点適時二塁打などで粘る江津を振り切った。江津は松江東に4点リードされた九回、梅木の適時二塁打などで3点を返すが、あと一歩で力尽きた。
▽1回戦
大田
00000100=1
01302002=8
出雲商
(八回コールド)
(大)中村、室、中村、室-河上
(出)今岡、森山、岩成-増田
▽二塁打 増田(出)
▽2回戦
松江農林
012002000=5
000000003=3
開星
(松)池田-野々村
(開)春木、白根-橋本
▽本塁打 原田(松)
▽二塁打 長谷川、三原(松)白根(開)
松江農林は二回、二塁打で出塁した長谷川を相見の適時打で先制。その後も三回の原田の本塁打、六回の三原の適時打など開星投手陣を攻め、突き放した。開星は、九回に白根、糸原の適時打で3点を返して粘りを見せたが、力尽きた。
▽2回戦
浜田商
0000000=0
100600×=7
石見智翠館
(七回コールド)
(浜)田中、出原-横田
(石)戸根、嶋田、野原-向山
▽三塁打 向山(石)
▽二塁打 竹内、戸根、新宮、野山、藤川(石)
【松江市営野球場】
▽2回戦
江津工
000000000=0
30011010×=6
邇摩
(江)盆子原、杉山-中島
(邇)月森大、木下-長尾
▽本塁打 木下(邇)
▽二塁打 坂根(江)、松本(邇)
邇摩は初回、長尾の適時打など4安打で3点を先制。その後も木下の本塁打などで着実に加点した。投げても、月森大、木下の完封リレーで完勝した。江津工は2併殺で好機を作れなかった。
▽2回戦
浜田
1002005=8
0000000=0
益田
(七回コールド)
(浜)勝部、田中滉-岡田
(益)松本、宮本-三浦
好機に着実に加点した浜田が七回コールド勝ちした。3点リードの浜田は七回、2四球を足がかりに3安打などで5点を挙げ、試合を決めた。益田は浜田投手陣に6安打に抑えられた。
▽2回戦
明誠
00000000010=1
00000000011=2
益田東
(延長十一回)
(明)斎藤、大木-小谷
(益)福岡-桜本
▽三塁打 田中(明)
○…優勝候補筆頭の開星が初戦敗退した。試合後、開星の選手たちは信じられない様子でうなだれた。野々村直通監督もショックを隠しきれず、記者の問いかけにも「話すことは何もない」と球場を去った。
橋本謙次郎主将は「自分たちより、勝ちたいという気持ちが松江農林にはあったのだと思う。技術ではなくて気持ちで負けたのだと思う」と号泣しながら語った。先発の春木良太投手も「初戦ということもあり、力が入ってしまった」と泣きながら振り返った。
一方、松江農林のナインは喜びを爆発させた。野々村慶彦主将は「池田(誠司投手)がよく抑えてくれた。当たって砕けろという気持ちで試合に臨んだ」と声を弾ませた。
唐島一将監督は「普段は、開星と戦うことを想定して練習している。池田も打線もよく頑張ってくれた。勝因は選手が自分らしさを出せたこと」と選手たちをねぎらった。
本命が消え、島根大会は混戦が続く。
毎日新聞 2009年7月19日 地方版