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きょうのコラム「時鐘」 2009年7月28日
学校の夏休みは、いまごろが一番楽しかった。夏休み帳も日記帳も真っ白。だが、時間はまだたっぷりある
終日遊びほうけたのはまぶしい夏空の下だったが、いまは梅雨空が去らず、バケツの底が抜けたように雨が降る。九州北部などを襲った豪雨に、昨年の浅野川や南砺の被害を思い出し、胸が痛む 二次災害の恐れがあるとして、首相の被災地視察がドタキャンになった。実現していたなら、落とした評判を少しは回復できたかもしれない。多くの犠牲者が出たのだから、何をおいても見舞いに駆けつけるのが礼儀であり、情である。あすにも出直す雲行きらしい 麻生さんに先を越されそうになっても、ほかの党首らに慌てた様子は見えない。なぜ一刻を争って、被災者を見舞わないのだろう。もっとも、大物政治家の視察は、決まって仰々しい大名行列に似る。緊張の続く被災地では、足手まといになりかねぬ。そんな先例があったし、麻生さんならずとも、視察は「パフォーマンス」と逆に批判されるかもしれない 被災地では猫の手も借りたいだろうに、猫ほどにも頼りにならない話もある。 |