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上野樹里がウェディングドレスで結婚式!?「キラー・ヴァージンロード」完成会見&舞台挨拶

2009年7月27日

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花嫁50人が集結して迫力満点!

<左より、岸谷五朗監督、謎のゴリラ、上野樹里さん、木村佳乃さん>

俳優・岸谷五朗さんが初めて監督業に挑んだドタバタ・コメディ「キラー・ヴァージンロード」。結婚したい女性と自殺願望のある女性がひょんなことから出会い、ハチャメチャな逃避行を繰り広げる、爽快感あふれるジェットコースター・ムービーです。7月27日、本作の記者会見と完成披露試写会の舞台挨拶が都内で行われました。

青山セントグレース大聖堂で行われた記者会見では、岸谷さんと主演女優の上野樹里さん、木村佳乃さんが出席。上野さんは純白のウエディングドレスに身を包み、集まった記者たちを沸かせました。会場にはウェディングドレスを着た50人の花嫁が出現し、ブーケトスやフォトセッションに参加してイベントを盛り上げました。夜には初の一般向け試写会がTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、岸谷監督、上野さん、木村さんの他に、共演者の寺脇康文さん、中尾明慶さんも駆けつけ、笑いあふれるトークを繰り広げました。幸せムードに包まれたイベントの模様をレポートいたします。

記者会見

■快晴の下、セントグレース大聖堂に50人の花嫁が集結。彼女たちの前に立った岸谷さん、上野さん、木村さんが赤いブーケを勢いよく投げました。


<赤いブーケを待ち構える花嫁たち>

<ブーケトス開始! みんな必死です!>

■記者会見は教会内で行われました。3人はさながら本物の結婚式のように、バージンロードをゆっくりと歩きながら登場しました。


<バージンロードから入場!>

<お二人の美しさに報道陣もウットリ>

岸谷五朗監督

皆様、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。 「キラー・ヴァージンロード」という素晴らしい映画が完成しました。今日初めて映画を発表するのですが、お客様が何を感じるのか楽しみで仕方ありません。ワクワク、ドキドキしております。 映画を観ていただいて、劇場を出た後にお客さんがスキップして帰ってくれたらいいなという思いでいっぱいです。ぜひ、応援よろしくお願いいたします。
上野樹里さん(沼尻ひろ子役)

岸谷さんが初めて監督されるということで、どんなことになるのか期待していました。撮影はすごくスムーズに進みました。「役者の気持ちが新鮮なまま撮りたい」という俳優の立場としての考えをもっていて、本番前のテストでしっかり固めて、本番は1回もしくは2回で撮っていくというやり方でした。

でき上がった作品を観ますと、最初はスリルがあって勢いよく始まり、みんながドキドキワクワクするような映画になっていて、そこから(木村)佳乃さんといろんなことがあり、最後に感動あり、という感じで、すごくいい映画になっています。 (所属事務所の)アミューズ30周年というおめでたい時に、五朗さんと寺脇さんなど、アミューズに所属する役者さんと仕事ができて光栄です。普段近い距離にいても、なかなか一緒に仕事をすることがないので。 キャストやスタッフ、みんなで汗水流して作った映画なので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいと思います。
木村佳乃さん(小林福子役)

私の役は本当にはじけた役で、男性にフラれるたびに心中しようとする女性です。本当は死にたいわけではなく、狂言的なところがあるのですが。 映画の中で突然、歌い出したり踊り出したりするシーンがありますが、そういうのが初めてだったので、最初は少し不安でした。でも岸谷監督ならきっとすごいことになるだろうと何となく思っていました。そうしたら本当にその通りになって、いままで見たことのない映画に仕上がっているなと思いました。 そして、樹里さんと映画の中で友情が芽生えるんですけど、台本に書いてある以上の友情を出すことができて、それは相手役が樹里ちゃんじゃないとできなかったと思います。本当にいい経験でした。

質疑応答


MC:監督という目線で見た上野さん、木村さんの印象はいかがですか?


<華やかな夢の競演>
岸谷監督:
二人とも凄い女優です。今回初めてカメラの後ろ側にいて、カメラの前には立たなかったのですが、カメラの前にいる役者たち、つまり役作りをして衣装を着て作られた画の中にいる役者たちは凄いんだなと改めて思いました。 二人は2ショットで撮りたくなります。二人の間に流れている空気がすごくいいんです。全く性格が違うのですが、小林福子と沼尻ひろ子という役を背負った二人が存在すると本当に面白いものがある。改めて二人の凄さを目の当たりにしました。

MC:上野さん、木村さん、共演したお互いの印象をお願いします。

上野さん:
アミューズに入ったばかりの頃に、雑誌のパーティーがあったのですが、そこで佳乃さんと初めてお会いしました。佳乃さんが「いつか共演したいと思っています」と話しかけてくださって、まさかTVでしか見たことのない女優さんが目の前でそんなことを言うとは思ってもいなかったので、よく覚えています。その会場で話しかけてくださったのは佳乃さんだけだったんです。何年も経って、こうして実際に共演するとなったときに、縁を感じました。映画の中でも、二人はタイミングよく樹海で出会うんです。

見た目と違って、佳乃さんの役は「死にたい」と言う役なのにものすごくフットワークが軽い。死にたいと言っていたのに急に「死にたくない!」と唸ったり、一方のひろ子は振り回されているようで実は周りを振り回していたり、見た目と違う部分をお互いにもっていて、二人一緒になったとき、鏡になって反射し合っていると思います。 一緒にいてすごく面白くて、ひろ子がおかしいことをすると佳乃さんは本当にゲラゲラと笑いが止まらなかったり……。本当に楽しい現場でした。

MC:木村さんは初めて上野さんと会った時のことを覚えていますか?

木村さん:
はい。「ジョゼと虎と魚たち」という映画を見て、素晴らしい女優だなと注目していました。だから会った時に思わず声をかけてしまいました。 樹里ちゃんは本当に正直で嘘がない子。一生懸命で何かに突き進み、裏表がなくて、すごくわかりやすいので付き合いやすいです。 撮影中はメイクルームなどで台詞を合わせたりしていたのですが、樹里ちゃんとお芝居をするのが楽しくて、想像をはるかに超えた芝居をしてくるので、本当に刺激を受けました。よく一緒に御飯を食べに行ったりもしていました。女優として尊敬しています。

MC:岸谷さんは初監督ですが、演じる時とは違う苦労などありましたか?

岸谷監督:
全然ないです。こんな幸せでいいのかというくらい、楽しいことばかりでした。映画監督って大きな宝の箱をもらったような気分です。箱を開けるといい俳優やいいスタッフがいて、その人たちと自分の作りたい世界を作り上げていく。こんな素晴らしいことはないと思います。 大変なシーンはありました。樹里がものすごく冷たい川を歩いたり、ゴリラを背負ってバタフライをしたり。それはそれで大変な撮影ですけど、全部を通して僕は幸せでした。

MC:ズバリ、監督業と俳優業、どちらの方がいいですか?

岸谷監督:
2つは全く違うものです。俳優業はとにかくしんどい。俳優が一番キツくて苦しいです。役作りの時間も現場にいる時間も、ひとつの登場人物を抱えてその役としていることはすごくキツいんです。でも、監督はウハウハですね(会場笑)! 寝られないなんて苦労のうちに入らないし、スキップして現場に行っていました。苦しんでいる役者を横目で見ながら(会場笑)。

MC:いまお話にもありましたが、お二人はハードなシーンが多かったと思いますが、その辺りの苦労をお聞かせください。

上野さん:
先ほど監督が言っていた川のシーンに加えて、今回初めてダンスを踊っているんですけど、最初は心配でした。リハーサルする前にダンスの振り付けから入ったんですけど、まだ役がしみ込んでいない時にダンスにも戸惑っていて、五朗さんが一緒に集中レッスンをしてくれたんです。それを見ていたスタッフが下北沢の古着屋さんでダンスシューズを買ってきてくれて、それを履いて練習しました。そこから「ダンスが面白い」と興味が出てきて、現場でもけっこう踊って。楽しさがわかりました。

あとはスーツケースで山を滑っていくシーンをブルーバックのスタジオで撮ったんですけど、そのときに二人でジェットコースターに乗って落ちる感じの芝居をしたんです。でも、苦労じゃなくて……(木村さんに向かって)単純に楽しかったよね。夜中に響き渡る悲鳴が(笑)。 テンションが高い映画でとても面白いです。ゼロ号試写と初号試写、どちらも観に行きましたが、両方観たのはこの作品が初めてです。初号の時はたくさんの方がいらっしゃって、皆笑っていました。公開されたら劇場のいろんな所で笑いが起きるのではないかと期待しています。

MC:木村さん、撮影中印象に残っているエピソードをお聞かせください。


<バイクのシーンはスピード感満載!>
(c)2009 「キラー・ヴァージンロード」製作委員会
木村さん:
バイクに乗った暴走族15人くらいに追いかけられるシーンがあって、もちろん轢かれないことはわかっているんですけど、後ろから爆音でバイクが来ると、怖くて……。

上野さん:
私は楽しかったです。イエーイ!って感じでした(会場笑)。

木村さん:
そうなんです。私はいつも怖がるんですけど、樹里ちゃんが「まず私がやるから見ていてよ! 怖くないよ!」と言って励ましてくれるんです。

上野さん:
すごく怖がっているのを見て、逆にみんなが笑っていて、楽しかった。(木村さんが演じる)小林みたいでした。

MC:映画では結婚がキーワードになっています。ズバリ、お二人は結婚願望がありますか?

木村さん:
はい、人並みに。

上野さん:
どういうのが人並みなんですか(会場笑)? 「願望」だよ!? 願望って、こうじゃなきゃだめっていうことでしょ?

岸谷監督:
そういうことは楽屋で話してくださいよ(会場笑)!

上野さん:
生きている間に一回は結婚したいなとは思いますけど、それが80歳でも素敵だと思いますし、何歳までにと決めていません。決めちゃうとそれまでに結婚しなきゃいけなくなるから、それなら決めない方がいいのかなと思って……。25歳と言って25歳までに結婚できなかったら終わりじゃないですか。どんどん自分の中で矛盾が生まれていくので、80歳くらいに想定しておいた方が、実際に結婚できた時、よかったと思えるのです(会場笑)。

MC:岸谷監督は主題歌を福山雅治さんに直接ご依頼されたとのことですが、その楽曲「旅人」ができ上がった経緯と完成した曲の感想をお聞かせください。

岸谷監督:
「キラー・ヴァージンロード」は音楽と非常に密接な関係にあります。音楽の占めるウエイトが大きいです。福山はすぐれた音楽家であると同時に俳優でもあり、両方の力をもっている音楽家は台本の読み方も違ってきます。主題歌と作品が離れてしまうことが多いのですが、最後に「旅人」という素晴らしい曲があって一つの映画が終わるという形を考えていたので、まさに彼にしかできないなと思いました。本当に素晴らしい曲を作ってくれました。

マスコミによる質疑応答


Q:岸谷監督、監督として何よりもまずやってみたかったことは何ですか? 例えば「カット!」「アクション!」と叫ぶとか。それから岸谷監督流の演出方法があれば教えてください。

岸谷監督:
「用意、スタート!」と言うのはずっと夢だと思っていて、脚本作りの時から「すごくカッコイイ『用意、スタート!』をかけてやろう」と頭の中で考えていました。映画監督らしく、「用意」の後にためたりなんかして(会場笑)。でも現場に行ったらその意識を全く忘れていて、気がついたら6、7カットも撮っていました。「しまった! 記念すべき『用意、スタート』を意識しないでかけちゃったよ!」と焦りました。 クランクアップするまでの長い日々がまず先に見えていたので、それどころではないといいますか、自分に浸っている場合じゃないというのが正直なところでした。2作目の時は意識しようかと思っています(会場笑)。

MC:上野さん、木村さんは監督の「用意、スタート!」を覚えていますか?


<華やかな夢の競演>
上野さん:
覚えていません(会場笑)。もう、それどころじゃなかったんです! 「用意」の前からいろんなことを考えていて、「スタート」で反射的に動くので噛みしめて聞いている余裕はなかったです。監督を見ている人たちは冷静にその姿を見ることができるかもしれないですけど、役者側はそれどころじゃないです(笑)。

岸谷監督:
演出についてですが、初めにもらったスケジュールの分量は、初監督でこの分量は無理と言われていたんです。絶対撮れない、一週間は押すだろうと言われていましたが、結果巻きで終わりました(会場笑)。撮影のリズムが自然と作品のリズムに近づいたんだと思います。撮影のスピードが出来上がった作品のスピード感に比例していると思うんです。

たぶん他の監督より有利だったのではないかと思うことは、役者に言葉でなく演技で説明できること。それが(撮影が)早かった理由でしょう。それから、芝居が熟さないうちに本番に行くというやり方が僕の中であります。完成した作品を見ると実にうまくいっているなと思います。

Q:岸谷監督にお伺いします。先ほど「2作目」と言っていましたが。

岸谷監督:
すみません、冗談です(会場笑)。

Q:では夢の範囲で結構ですので、次にやりたいことをお聞かせください。

岸谷監督:
今回の映画は小学生からおじいちゃん、おばあちゃんまで見ていただきたい映画です。それぞれが見終わって、明日から元気になってもらえるような映画を作りたいと思っています。1時間40分くらいの映画ですが、あっという間に映画に集中してもらって楽しんでもらって、馬鹿だなーと笑っていると最後は泣かされるという、喜怒哀楽が詰まっている映画です。

おそらく、次に勝手に好きな映画を撮るとするなら、感情の一つの方向を撮ると思います。「怒り」だとか、「苦しみ」だとか……。ジトッと1カットでフランス映画っぽく撮るみたいな、そんな方向に行くのではと思います。 今回映画を撮影して、映画を撮ることにルールがないことがよくわかりました。何らかの束縛の中で撮ってはいけないなと思っていたのですが、本当に自由に撮らせていただいて、ひとつのまとまりをもつことができたので、今度はもう少し乱暴な映画に挑戦したいです。

舞台挨拶

岸谷五朗監督

いま、すっごいドキドキしています。今日初めてお客さんに映画を見ていただくので、一体どうなんだろうという気持ちです。ものすごく自信があるんですけど(会場笑)、でもはたしてどうなんだろう、お客さんは楽しいと思ってくれるのか、と不安な気持ちもあります。 とにかく1時間37分を走り抜ける映画です。見終わった後に元気が出てくれたら僕は最高です。
上野樹里さん(沼尻ひろ子役)

リアクションを思い出すと笑っちゃうのですが、お客さんはこれから観られると聞いたので、言わないでおきます。 沼尻ひろ子は“どん尻ビリ子”と呼ばれているすごくドジな女の子なんですけど、結婚して早く幸せになりたいOLの女の子で、でも周りから嫌われて、それにも気づかないほど天然で、天然を超越しているから逆に強いという感じで最後を迎えます。

そんなひろ子と、死にたいと思っている小林という女性との出会いがあって芝居をしていくんですけど……私、説明下手ですね(会場笑)。 どのシーンも岸谷さんのアイデアが散りばめられています。試写で2回見たんですけど、2回目にまた違うところに気づいたりしました。細かい部分にこだわっているので隅々まで見ていただきたいです。次のシーンのつなげ方にも工夫が凝らされているので、本当に面白いと思います。絶叫マシンに乗っているような気分で始まります。……(岸谷監督に向かって)笑わないでくださいよ(会場笑)!

岸谷監督:
なかなか終わらないなと思って(会場笑)。

上野さん:
まだ大切なことが言えていない気がして……。とにかく観ていただけたら嬉しいです。
木村佳乃さん(小林福子役)

岸谷さんの初監督作品に出られたことを感謝しています。私の役は自殺願望がある、ちょっと奇抜なキャラクターです。はじけるまでに勇気がいりました。ぜひご覧になってください。
寺脇康文さん(大家役)

さっき樹里ちゃんが一生懸命言っていた、殺害される大家が僕の役です(会場笑)。 岸谷五朗くんの初監督ということで、これはもうどんな役でもやると言いました。台本を読んでみたら、「ここまでかよ!」というくらい、これまでのキャリアをすべて捨て去るかのような、普通だったら絶対やっていない凄い役になっていました。私の役者人生をかけたといっても過言ではありません。終わるか、また火がつくか、どちらかです(会場笑)。
中尾明慶さん(北翔役)

今日は皆さんの中に入れていただけたのはすごく嬉しいのですが、何を話せばいいのか迷っていました。でも上野さんの後だったのでホッとしています(会場笑)。 ある程度自分の中で話がまとまっていなくても大丈夫なんだなと思いました。

上野さん:
お役に立ててよかったです(会場笑)。

中尾さん:
僕は撮影日数が他の役者さんたちに比べて多くなかったんですけど、映画を観ると、僕の知らないシーンがいっぱいあったので、一視聴者になれました。僕は午前中にこの映画を見たのですが、その日一日、車に乗っていても、かっ飛ばしたくなるような映画でした。皆さんも楽しんでください。

質疑応答

MC:岸谷さんは初監督なので、いつもと違った目線で見ることができたと思うのですが、キャストの印象をそれぞれお聞かせください。


<豪華キャストが岸谷監督の下に集結>
岸谷監督:
本当にみんな素晴らしい俳優です。今回カメラの後ろ側にいて、改めて役者というのは凄いなと実感できました。役作りをしてひとつの役になりきっている役者は近寄りがたい神秘的なものがあって、改めて勉強になりました。

一人一人の印象で言いますと、中尾君は軽薄な男を演じてもらいたかったんだけど、中尾君自身は本当に素直で演技に対して真面目な男。初めはそれが前に出ちゃって、軽薄な男に見えないと悩みました。僕が映画監督として、他の監督より得をしていることは、演技をして説明できること。言葉よりも早く伝わるんです。その方法で指導して、最後は中尾君も見事に演じてくれました。

中尾さん:
監督がお芝居で説明してくださるんですけど、その説明が「もう監督が演じた方がいいのでは?」と思っちゃうくらい凄くて(会場笑)、その演技、今の僕は超えられるのかなというプレッシャーはありました。でもすごく楽しい現場でした。

岸谷監督:
木村さんとは十数年ぶりに仕事をしました。当時はデビューしたてで、今の樹里よりも若い頃で、立ち位置もわからないような子でした。わざわざ立ち位置のシールを確かめてから「私は……」と喋り始めるような(会場笑)。 女優としての天性もありますが、たくさんの現場を経験してきた重さが木村佳乃という女優をまた大きくしていて、今回も樹里演じるひろ子とのコンビは、アホらしいを超えて美しくなっていて、どうしても2ショットで撮りたくなってしまうくらいでした。木村佳乃にはたくさん助けられました。これだけ飛ばしている彼女は見ものなので、楽しみにしていてください。

木村さん:
監督は現場に愛があります。ご自分でスタッフに声をかけて岸谷組を作っているだけあって、全員に愛があって、現場が非常に温かくて居心地が良かったです。やっぱり俳優として現場に入る時、居心地の悪い現場はなかなか緊張して余計なことを考えてしまうものですが、そういうものが一切なく、それは監督の愛情なんだなと思いました。

岸谷監督:
上野樹里は天才女優です。さっきの挨拶を聞いていただいたように、なかなか言葉は通じないのですが(会場笑)、役を背負ってひとつの登場人物になっていく時の上野樹里は凄いです。なんかもう、女優という動物みたいですね。当然、今回の役も彼女がやってくれたので何倍もよくなりました。

Q:上野さんは岸谷流演出を受けていかがでしたか。

上野さん:
劇中で初めてダンスを踊ったのですが、最初は役が体に入っていなくて覚えるのが大変だったんです。徐々にひろ子という役が体で表現できるようになってきた頃、ダンスをもうちょっと練習した方がいいんじゃないかと言ってくれて、翌日リハーサル室に行ってみると、五朗さんが打ち合わせで忙しいのに来てくださって、5時間くらいダンスを教わりました。すごく楽しかったです。

映像も勢いがよくてカッコいいし、ワクワク、ハラハラして面白いです。 現場はものすごくスピード感があって、ほとんど一発OKでした。テンポを大事にして撮影をされていました。撮りたいものが的確にあるので、パパパパッと進みました。

MC:今度は寺脇さんの印象についてお願いします。

岸谷監督:
この人は日本一の俳優で、何でもできる人です。最近大ヒット映画に出ていたみたいで、カッコいい路線が気に入っているみたいです(会場笑)。でも本当の寺脇康文の魅力を爆発させてやろうと思い、起用しました。今日皆さんが見ていただくのが“本当の寺脇康文”です(会場笑)!

寺脇さん:
僕は今日ここで終わります。もう誰も僕を使ってくれないでしょう(会場笑)!  現場では「寺脇さん」と呼んでくれて、尊重してくれていました。まだ「相棒」の撮影がある中、僕はなんとか時間をやりくりして、1シーンのために一日空けて群馬へ行ったんです。セリフもないけど「おまえの顔が欲しいんだよ!」と言われたから、行きましたよ! 一生懸命時間かけて行って、撮影しました。そうしたら監督が「人形でもよかったな」って……(会場笑)。あの一言で僕は泣きそうになりましたよ。君のために僕はどれだけこの映画を愛していると思っているの? ……でも、人形でもよかったね!

岸谷監督:
どっちだよ(会場笑)!

■舞台挨拶が終了すると、ウエディングドレスを着た花嫁たちが、劇中のストーリーにちなんで大きなハサミを持って登場。登壇者によるフォトセッションに彩りを加えていました。


<左から、寺脇康文さん、岸谷吾朗監督、上野樹里さん、木村佳乃さん、中尾明慶さん>

「キラー・ヴァージンロード」公式サイト