Webの集客は「広告」からクチコミ型の「自発的な検索」へ - 矢野研
2009/04/28
矢野経済研究所は、Webサイトを運営する企業82社に対し集客・販促戦略についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。それによると、Webサイトの現状の集客方法については「アフィリエイト」を利用する企業が最も多く、「SEO」や「リスティング広告」などがこれに続いた。
SEOと並んで多かったのは「自然なクチコミを発生させるため、商品力やサービスレベルの向上に努める」という方法。この他、大半の企業では複数の集客・販促手法を組み合わせて利用していた。
今後の集客・販売戦略については「リスティング広告への出稿」がトップで、「SEOの実施」「アフィリエイト」が上位。これらの検索エンジンを使ったマーケティング(SEM)においては、比較的狭い概念で使われる「スモールキーワード」を重視するという企業が半数に上った。スモールキーワードは適切な語を用いればピンポイントで検索される可能性が高いことや、リスティングにおいて多くのサイトが利用するビッグキーワードよりも低コストで出稿できることが利点と考えられる。
また、調査結果では集客・販促上の主な課題・問題点として、1)客単価の向上、2)サイトユーザーとのリテンション(維持、保持)を図ること、3)価格競争の激化、4)機会損失の軽減、5)サイト運営業務の増大、6)クロスメディアの効果測定を挙げ、アンケート結果をもとに「サイト運営業務の増大」に対する解決方法を分析。
それによると、各社の解決方法としては「社内の組織体制を見直し、社内で運営業務の効率化を図る」がトップ、次いで「ツールやシステムを利用し、業務の効率化を図る」となった。同社では、BPM(Business Process Management)ツールを用いてビジネスの現状を把握し業務上のムダを省く手法や、CMS(Contents Management System)の活用により業務量軽減やサイト更新のスピード向上を図る手法などを紹介している。
将来展望として、企業では今後もSEMやアフィリエイトを中心とした集客方法を採用することがうかがえるものの、多くの企業で一つの広告への依存度が高くなると問題となる可能性があるとし、広告に依存しない集客手法として、サイト名やブランド名で「ユーザーに自発的に検索してもらう」などの間接的な集客方法が重要になると予測している。
同調査のレポートは「主要WEBサイトのマーケティング戦略 2009」として、同社サイトにて購入が可能となっている。
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