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【滋賀】

東近江市の医療どう維持 検討会が初会合

2009年7月28日

東近江市地域医療体制検討会の初会合=同市役所で

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 東近江市は深刻な医師不足に悩む2つの市立病院を含む市域の安定した医療提供の確保を目指し27日、2つの医科大の学長、私立病院長、開業医ら19人で組織する「市地域医療体制検討会」の初会合を開いた。2市立病院と、市内にある国立病院機構滋賀病院との再編の提言もあった。

 能登川、蒲生両市立病院は医師不足が深刻で赤字額も膨らみ、市は「このままでは市域の医療が崩壊する」として、医療水準を高める医療体制の整備を目的に検討会を立ち上げた。委員19人は西沢久夫市長が任命した。

 病院の問題は、これまで医療関係者が2年間協議。結論は先送りされた経緯があり、小鳥輝男委員長(東近江医師会長)は「今回こそ、市の医療制度が整備されることを望みます」とあいさつ。市側は2市立病院の現状、市外の医療機関に依存している救急医療の実態などを紹介した。

 京都府立医大の山岸久一学長は「医師を派遣できなくなり、申し訳ないと思っているが、国の制度でこうなった」と苦しい胸の内を語り、滋賀医大の馬場忠雄学長は「各病院が機能分担や連携を図り、少ない医師をいかに機能的に配置するかが重要」と述べた。

 湖東記念病院の村上知行院長は「中核病院をどういう形でつくるのか。国立病院機構滋賀病院と2市立病院を統一するのかしないのか。ここにすべてがかかっている」と訴えた。

 小鳥会長から意見を求められた西沢市長は「国立病院機構滋賀病院と2市立病院の関係をどうするのか? ここに足を踏み入れない限り、市域の中核病院をどのようにしていくのかは考えられない」と話した。次回の検討会は8月21日。

 (前嶋英則)

 

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