米テレビ番組人気ナンバーワンの地位を不動のものにしている「アメリカン・アイドル」(Foxネットワーク)の司会者が大型契約を結び話題になっている。話題の中心人物はライアン・シークレスト氏(34歳)。同番組の制作会社「19エンターテイメント」との間で交わされた新契約は2012年までの3年間。ウォールストリート・ジャーナル紙などによると、契約金総額が4500万j(約43億円)と、番組司会者に支払われる契約金としては破格のものとなった。
業界誌などによると、シークレスト氏の現在の年俸は推定1500万j。一挙に3倍もの増額となった。ブロードキャスティング&ケーブル誌は、シークレスト氏について、「アメリカン・アイドルがもたらした最高の成功物語ではないか」と論評している。実はアメリカン・アイドルの司会者は当初二人制をとっていた。ところがシークレストの相棒を務めていたブライアン・ダンクルマン氏が、「番組の出場者の扱いが残酷すぎる」などの理由で、1年で降板。その後はシークレスト氏が一人で司会を勤めている。ダンクルマン氏は、シークレスト氏の活躍ぶりに、「大きな間違いを犯した」と地団駄を踏んでいる模様だ。
シークレスト氏は、同番組のほか、ロサンゼルスのラジオ局「KIIS-FM」の朝の番組のホストも担当している。同番組は全国150局にも配信されている。その他、シークレスト氏は、若者向けエンターテイメント専門局「E!」の番組出演契約を結んでいるが、2006年1月に締結した3年間契約は推定2100万j(約20億円)。こちらも2012年までの延長契約が成立している。
ところで、アメリカン・アイドルのクリエーターで、自ら同番組の審査員として人気のサイモン・コウエル氏がFoxネットワークとの間に年俸1億j(約95億)以上の新契約を結んだことも取りざたされており、メガ・ヒット番組がオフシーズンにもかかわらず話題を振りまいている。
アメリカン・アイドルは今年で8シーズン目となるオーディション番組だが、ニールセンによれば今シーズンの平均視聴者数は2500万人だった。

今年で第80回目を迎えた米大リーグのオールスター戦は14日、セントルイスのブッシュ・スタジアムで行われ、Foxネットワークが全国向けに生中継した。番組は平均視聴者数1460万人を獲得し、2002年以来最高の好記録となった。大リーグ広報によると、同試合を一部、あるいはすべて見た人は3360万人にのぼり、10年ぶりの記録となった。
地元セントルイスの視聴率は37.0%(シェア56%)と、驚異的(メディアウィーク誌)な視聴率を樹立した。また、試合開始前に行われた特別番組では、オバマ大統領の始球式をはじめ、イラク戦争で負傷した元兵士などを称えるイベントなどが組まれたが、こちらも視聴者数1120万人と7年ぶりの高視聴率となった。試合は事前番組は米東部時間20:00から50分間放送され、20:50に試合開始となった。
今球宴の視聴者数は、今シーズンに放送されたスポーツ番組で6位にランクされるもので、Foxネットワーク関係者の期待以上の成績を収めた。ちなみに、1位には平均視聴者数9870万人を獲得したスーパーボウル(2月1日放送、NBC)、続いて全米大学体育協会(NCAA)主催の大学バスケットボール・トーナメント決勝戦の1760万人、米競馬の3歳3冠レース初戦のケンタッキー・ダービーの1630万人、米プロバスケットボール協会(NBA)の王者を決めるファイナル戦、自動車耐久レース「デイトナ500」のそれぞれ1600万人となっている。
なお、オールスター戦は、9年連続出場を果たしたイチロー選手のアメリカン・リーグが4対3とナショナル・リーグを破り、12連勝。

米消費者がテレビ番組のオンライン配信について、有料になっても構わないと考えていることが明らかになった。米国ではインターネット上のテレビ番組視聴が人気を博していて、すべてのネットワークがプライムタイムで放送されている人気番組を放送翌日にはネット配信している。番組にはテレビCM同様の動画広告が挿入されており、消費者には無料で提供されている。有料にすれば、消費者が背を向けてしまうとの判断からだが、今回の調査はそんな業界の常識を覆すような結果となった。
ボストンに本社を置く市場調査・コンサルティング会社「ストラテジー・アナリティックス」によると、消費者の多くが、インターネット上で配信されている音楽と同様、テレビ番組などが有料になっても視聴したいと考えていることが明らかになったという。同社は、景気後退にもかかわらず、2009年におけるインターネット上の動画コンテンツ売上高(世界市場)は38億j(約3610億円)に達すると推定。動画広告の売上高35億j(約3325億円)を超過する見通しだ。さらに、同社では有料サイトの利用回数の伸びが2012年までに無料サイトのものを越える勢いだという。
同社でデジタル・メディア調査を担当するマーチン・オルーソン氏はアドウィーク誌とのインタビューの中で、「広告主が不況の影響でオンライン広告費を削減している一方で、財布の紐が硬くなった消費者が手軽に楽しめるエンターテイメントとして動画視聴を利用しているようだ」と分析している。同氏によると、DVD宅配レンタル大手の米ネットフリックスが始めた有料オンライン配信やマイクロソフト社のXbox Live Video Store、あるいはケーブルテレビ(CATV)事業者が展開している有料オン・ディマンド・サービスなどの人気が上昇中だ。

