2009年02月22日

オーディションの謎

NHKの番組で、ベテラン声優の田中真弓さんが「アニメの配役は、全て
オーディションで決まります」と断言していました。本当でしょうか。
「声優さんの知らない所で何かある」ことはないのでしょうか。
田中真弓さんのキャリアからして、内部事情には詳しい筈で信頼できると
思います。さらに少年役、少女役などとカテゴライズされていて「自分は
少年役には入っているが、おばさん役には入っていない。だから、おばさ
ん役をやりたいのだが、オーディションに呼んでもらえない」との話もあ
りました。製作側が田中真弓さんに遠慮している感じがします(笑)。

何が言いたいのかというと、2008年に戸松遥さんの出演作が急増した件
で、ネット上で根拠のない「事務所のゴリ押し」説が流布しました。
私は2009-01-05の記事(カテゴリ:戸松遥論)で、それを否定する論理的な
推論を展開したわけです。上記の田中真弓さんの証言はそれを裏付ける
ものだと思います。

さらに、強力な援軍が登場しました(笑)。
Web「のら犬兄弟のギョーカイ時事放談」(2009-02-12配信)です。
アニメの製作プロデューサー2人が、岩浪美和氏(音響監督)をゲストに
色々と興味深い話をしています。曰く、
「業界の危ない話はほとんどない」
「音響監督はやりたい放題ではない」
「貧乏で利権のない業界でおいしい話はない」
「キャストは全てオーディション」
「だめなものはだめという権利はある」
「役柄に合わなければダメ」
「事務所の力なんてない」
「おかしい話はあっという間に(業界内に)広がる」
「事務所は関係ない。オーディションは実力のみ」
「あとは予算と声優のスケジュールの問題」
ミュージックレイン4人娘について。
「何千人から選ばれている。上手いのは当然」
「モチベーションが高い」
戸松遥さんについて。
「何で若くてあんなに上手いんだろう」
「ケメコで選んだ時は新人」
「真面目。最初からビデオ観て準備をしっかりしている」

ちゃんと自分の実名を出して語っている、当事者たちの言葉を疑う理由は
ありません。話に合理性・整合性があります。
「ゴリ押し」を言う人達は、これに反証を提示する義務と責任があります。
でも「ゴリ押し」を言う人間に限って、そんな能力は皆無なんですよね。
というか「ゴリ押し」の意味すらわかっていない感じなのですよ。
他人の名誉を傷つけているのですから、裁判になったら負けです。

上記のような証言がなくても、ちょっと考えればあり得ない話だというの
は通常の知性があれば、明らかだと思います。(前にも書いたけど)
「ゴリ押し」説の人達は、その言葉が自分達が愛していると信じている、
アニメ業界(働く人も含めてむ)を貶めているという矛盾にも気がつかない
のでしょうね。
「ゴリ押し」説は、その人の知能程度を測るリトマス試験紙なのです。
(ちょっと、カッコ良く言ってみました)

2009-01-05の記事(カテゴリ:戸松遥論)に「ゴリ押し」説の人の書き込み
と私の反論があるので、お好きな人はどうぞ(笑)。
ニックネーム さじたりうす at 00:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 〜の謎
この記事へのコメント
オーディションが全員に与えられた平等なもので
無いことはすでにご存知だと思いますので、今更突っ込みはしませんが、公開された意見だけを信じるのはちょっとどうかと思いますよ。。
無論、単に反感して信じないほうもダメダメですけど・・・。

>製作側が田中真弓さんに遠慮している感じ
この言葉を借りるなら、製作側がSMEに遠慮していると言う書き方も出来るわけで・・・。

私もレインのファンですが、
あまり盲目的な意見は信者と一笑に伏されるのがオチだと思います。
Posted by sgd at 2009年02月22日 00:49
>sgdさん
コメントありがとうございます。
ご意見は充分にわかります。
ただ「ゴリ押し」の意味は「相手に圧力をかけ自分の要求
を通す」ことですから「うちの声優使わないと、あなたの
会社に被害が出るよ」という言葉に実行力がないと成立
しません。それは、あり得ないだろ、という意味で否定
しているわけです。

オーディションで事務所を選択するのは、現実的・効率的
な方法だと思いますよ(笑)。
その製作側の思惑はわかりませんが、それは「ゴリ押し」
とは言いません。
また、公開されていない「何か」を元に憶測するのでは、
もはやオカルトの領域になってしまいます。

信者とだけは言われたくないなぁ(笑)。
Posted by さじたりうす at 2009年02月22日 02:50
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.netlaputa.ne.jp/tb/1063768