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脱北者:「アルファベットも分からないまま進学」(上)

脱北者の子どもたちの苦境

 「北朝鮮で人民学校(小学校)2年生まで通った後、中国では捕まるのを恐れて7年間ずっと家に閉じこもっていた。韓国へ来て、高校に進学する年齢に達していたため、すぐに高校に入学した。しかし、英語は何とか覚えられるが、数学の勉強は非常に難しく、用語も北朝鮮とは違う(Aさん〈23〉=高校2年)」

 「アルファベットも分からないまま韓国へ来た。北朝鮮ではただ生きていくための金を稼ぐのに精いっぱいで、勉強どころではなかった。歴史の授業で習うこともまったく違う。北朝鮮では『(朝鮮王朝の初代国王)李成桂(イ・ソンゲ)のせいで、鴨緑江・豆満江以北の地域を中国に奪われた』と教わったが、韓国では朝鮮王朝の建国の父として、肯定的な教え方をしている(Bさん〈21〉=高校3年)」

 「北朝鮮でも英語の授業はあるが、1週間に2時間だけだ。発音も韓国とは少し違う(C君〈19〉=中学3年)」「北朝鮮では親の商売を手伝い、くず鉄を拾い集めて回り、学校に来ない子も多い。1年にくず鉄20キロ、ウサギの皮6枚を学校に納めなければならない(Dさん〈22〉=高校3年)」

 これらは20日、京畿道安城市のハンギョレ中学・高校で会った脱北者の生徒5人(男子一人、女子4人)が打ち明けた「韓国の中等教育の壁」だ。同校は脱北者の子どもたちを対象とした韓国唯一の正規学校だ。

脱北者の子どもたちにとって、韓国の中学校・高校での勉強は容易ではない。そのため、進学率は低く、高校中退率も高い。写真の少年は、記者が20日、脱北者の子どもたちを対象とした「ハンギョレ中学・高校」で会った男子生徒。/写真=イ・ジュンホン客員記者

安城=安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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