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DV保護命令に地域差 最多沖縄、最少長野の6.8倍(1/2ページ)

2009年7月27日3時1分

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 配偶者の暴力から被害者を守るドメスティック・バイオレンス(DV)防止法で、各地方裁判所が出す保護命令の発令件数に大きな地域差があることがわかった。人口10万人当たりの発令件数で比べると、トップの那覇(沖縄)と最も少ない長野では6.8倍の開きがあった。

 最高裁判所が集計した各地裁の保護命令に関するデータと総務省の都道府県別人口統計(08年10月1日時点)をもとに朝日新聞が分析した。法施行後の01年10月から今年3月までに、全国の地裁が発令した保護命令は合計1万4024件。人口10万人当たりの全国平均は11.0件だった。

 地裁管内別(北海道の4地裁は合算)にみると、トップは那覇で27.8件。次いで奈良(23.4件)、鳥取(23.0件)と続く。逆に発令件数が最も少なかったのは長野で4・1件だった。被害者の申し立てでは、件数のトップは那覇(33.0件)で、最少は長野(5.8件)。申立件数に対する発令の割合でも那覇の84.7%に対し、長野は70.4%と低かった。

 各地域で実際にDVが発生した件数はわかっていない。ただ、こうした数字は、DV被害者への支援活動が手厚いかどうかなど、地域によって被害者の救済に格差が生じていることを示唆している。

 また、裁判官が発令か却下かを判断する前に自ら申し立てを取り下げる人の割合(取り下げ率)にも差があった。

 最高裁統計によると、保護命令申し立ての総数(審理中を除く)は1万7566件で「取り下げ等」(別の裁判所への移送などを含む)は全国で2683件あった。取り下げ率が高かったのは岐阜(27.1%)、長野(26.4%)、水戸(24.5%)。これらの地域は人口当たりの発令件数も少なくなる傾向があった。裁判官のDV被害に対する認識の度合いが影響している、と専門家は指摘する。

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