(CNN) 先月のイラン大統領選で不正があったとして連日続いた改革派の抗議デモで、当局に拘束された何百人もの人々の釈放を要求する集会が25日、世界各国の約100都市で行われた。
集会の主催者はユナイテッド・フォー・イラン(イランのための団結)で、ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナル、国境なき記者団など複数の人権団体が支援した。2003年のノーベル平和賞受賞者であるイランの人権活動家シリン・エバディ弁護士は、オランダの首都アムステルダムの集会で演説し、祖国のために一致団結するよう呼び掛けた。
今年イランで4カ月拘留され、無事釈放された日系米国人記者ロクサナ・サベリさんは、米シカゴ市内の集会に出席。言論を封殺されたイラン人のために、大勢の人々が声を上げていることの重要性を指摘した。
米ニューヨークでは市内中心部タイムズ・スクエアに参加者が集結し、国連本部まで行進した。参加者らはイラン改革派のシンボルカラーである緑色の旗やプラカードを掲げたり、緑色のリストバンドやシャツを着用していた。
集会は米ワシントン市内でも行われ、何百人ものイラン系米国人が国連情報センターから米連邦議会まで行進しながら、イラン国内の人権問題により積極的に取り組むよう国連に要求した。
英ロンドン市内の集会は駐英イラン大使館前で開かれ、脅しと恐怖で抗議デモを再開できない状態にあるイラン人との連帯を呼び掛けた。独ベルリンの集会には約2000人が参加した。欧米各地を中心とする一部集会では、イランの人権侵害に対する抗議を強めるよう各国政府に促す動きが見られた。
大統領選で再選が確定した保守派のアフマディネジャド大統領の就任式は、来月第1週に予定されている。選挙でアフマディネジャド氏に敗れた改革派ムサビ元首相は、自身のウェブサイトに掲載したイスラム教シーア派の一部有力聖職者ら宛ての公開書簡で、現体制が公正さや正義の道を歩んでおらず、今後も歩まず暗黒に向かっていくとの認識を示した。書簡にはキャルビ元国会議長やハタミ前大統領の署名も入っている。