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韓国で「空飛ぶ自動車」の研究に着手

10年後に現実化

 空飛ぶタクシーが狭い摩天楼(まてんろう)の間を走り抜ける。その後ろをパトカーが追跡し始めると、その列に合わせて空飛ぶ自動車が複雑に入り組み合う。2259年の米国ニューヨークを背景に描かれた映画『フィフス・エレメント』のワンシーンだ。

 未来のSF映画に出てくるような「空飛ぶ自動車」を現実のものとするため、韓国で検討作業が始まった。

 韓国航空宇宙研究院航空研究本部の李大成(イ・デソン)本部長を中心とする航空・交通関連の専門家や経済学者、技術者など20人以上が集まり、今年5月28日に最初の会合を開いた。そこでは「個人用航空機」、つまり空飛ぶ自動車を現実化する研究について話し合われた。知識経済部は今年3月、空飛ぶ自動車の研究のために8億ウォン(約5900万円)の予算を確保した。

 研究はまだ始まったばかりで、現時点では技術的・経済的な可能性を検討するレベルに過ぎない、だが、専門家たちは交通の歴史を大きく変える画期的な研究となるため、「研究を始めること」に大きな意味があると話している。

 李本部長を責任者として、建国大学の尹光埈(ユン・グァンジュン)教授の研究チームが飛行体技術、航空大学の姜慈瑛(カン・ジャヨン)教授の研究チームが管制システム技術、忠南大学の許煥一(ホ・ファンイル)教授の研究チームがエンジン技術の研究を担当し、米国のジョージア・テクが共同研究機関として参加する。

 研究者らによると、10年後の2019年ごろには最初の試作品を完成させ、2025年前後には空飛ぶ自動車の販売が可能になると予想している。

 李本部長は「個人用航空機は2030年ごろに自動車市場の3%、2050年ごろには主な交通手段になる」との見通しを立てている。現在の韓国の自動車登録台数1700万台を基準にすると、3%なら50万台という計算になる。

キム・ソンモ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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