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時評コラム

いまどきのオトナ、いまどきの子ども

「児童ポルノ禁止法改正案」反対論が
「規制」への共感を生む不安

曖昧で倫理感を刺激する「児童ポルノ」という言葉を止めるのがスタート

 そのうえで「児童ポルノ」という呼び方は止めるように、反対する方々は主張すべきだろう。議員諸氏のなかには、どういう意図なのか「児童ポルノ」にこだわる方もいるようだが(参照:ビデオライブラリ/6月26日衆議院法務委員会 丸谷佳織氏の発言)、この曖昧でいながら倫理感を刺激する言葉を使う限り、「サンタフェ回収問題?」のような陳腐な議論が繰りかえされる。

 その意味で民主党の対案は一定の前進だろう(参照:児童ポルノ禁止法一部改正法案概要)。さすがに「児童性行為等姿態描写物」という名称には、いささか「!」と「?」にはなる。しかし、「児童に対する性的搾取・性的虐待に係る行為等の処罰という法の趣旨の明確化」の主張は頷ける部分が多い(かといって民主党支持まで踏みきれませんが)。

 法的に罰則を設けて規制すべきなのは、子どもに対する「性的搾取・性的虐待」である。できれば、「性的搾取・性的虐待」を、具体的に定めて常に見直し拡充すべき点や、電子的・物理的コピーによる第三者への配布なども検討が必要だろう。さらに「児童ポルノ禁止法」そのものも、この視点から見直すべきかもしれない。

 しかし、「児童ポルノ」という呼称を止め、目的を明確にするだけでも有効だろう。そうすることで、一部の議員諸氏などが勘違い(?)しているような、自己の尺度にあわないものを「児童ポルノ」として排撃し規制する発想は成りたたなくなる。また、アニメやマンガやゲームまでも「児童ポルノ」として規制しようとする議論も成立しない。

 それで、いわゆる「児童ポルノ」が野放しなる──そんな意見もあるだろう。たしかに、子ども達の水遊びの現場で、デジタルカメラを向ける人間を規制するには「家族や本人の許可を」というしかないのが現状である。しかし、それを「児童ポルノ禁止法違反」と摘発しても、解決するとは思いにくい。行きつく先は物陰から隠れての盗撮だろうし、実際に隠れて撮る事例もあるという。また、法的に規制し罰則まで設け、個人の趣味や嗜好を法律で統制したとしても、すぐに抜け道を見つけ「捕まるのはドジ」になりかねない。

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