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時評コラム

いまどきのオトナ、いまどきの子ども

「児童ポルノ禁止法改正案」反対論が
「規制」への共感を生む不安

 しかも、この反対論が忘れているのは「不要な画像は削除できる」という点だろう。万が一、なんらかの手違い(?)で送りつけられた画像を見てしまったとしても、自分の意思で「保存したくない」と削除できる(厳密にはデータそのものが消えてなくなるわけではありません。念のため)。

 だから「削除しないで保存してるのは『みだりに』所持だろう」となってしまう。さらに「保存しているのは目的があるから」となり、「とにかく規制」が説得力を持ちはじめる。これでは反対のための「うっかりクリック」や「知らないうちに」が、「規制=摘発」に傾斜させる入口になりかねない。

 ネットに限っていえば、自分の意思に反して画像を保存するのは不可能だろう(郵便やFAXも「捨てる」という判断ができますが)。しかし、誰が、どのような理由で「児童ポルノ」と定めるのかが問題であり、それを規制すべきかどうかにある。

 子どもの裸やそれに近い画像を自分の意思で保存するのは、オトナとして「とても恥ずかしい行為」だと思う。しかし、「自己の性的好奇心を満たす目的で、『児童ポルノ』を所持した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金(一部を改正する法律案)」とするには疑問が残る。「とても恥ずかしい行為」だとしても、個人的な「性的好奇心」に関わる行為まで法律で規制し罰則まで設けるのは、統制の危険さえも感じてしまう。

 この点に絞りこむと反対論も説得力を持つ。個人的な「性的好奇心」まで踏みこんで所持を罰することの是非こそ、「児童ポルノ禁止法改正案」をめぐる議論には求められるのではないだろうか。

「児童ポルノ」がなんであって「どこに反対するのか」を明確に

 だからといって、「他人に迷惑をかけてもいないのに、自分の『性的好奇心』で所持して、どこが悪い」は支持されにくい。それは「児童ポルノ」という概念がに肥大化してひとり歩きしているからだろう。「児童ポルノ」=「倫理に反する」=「排除(規制)」という図式が、なんの疑問もなく定着してしまっているのだ。

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