性犯罪を撲滅をしようと、県や県警、県内の民間企業などでつくる「子ども・女性安全安心ネットワークふくおか」が25日発足した。福岡県は、強姦(ごうかん)事件の人口あたりの認知件数が全国ワースト。この日は福岡市中央区の市庁舎で「女性の安全・安心を考えるシンポジウム」があり、自身も性犯罪に巻き込まれ、被害者支援や執筆活動に取り組む小林美佳さん(33)=東京都=が、参加した女性約400人を前に講演した。
小林さんは2000年8月、見知らぬ男らに車に引き込まれて乱暴された。講演では、自分が汚いもののように感じ、家族にも打ち明けられなかった苦しい経験を吐露。「だからこそ、信頼できる人がいることは武器になります」と語った。
また、「防犯、防犯と言われると、身を守れなかった自分が責められているよう」と率直に述べ、会場からも「女性に護身術を求めるより、『性犯罪をするな』という教育を広めるべきだ」との声が上がった。
県警によると、県内では昨年、全国で3番目に多い122件の強姦事件が確認された。10万人あたりの認知件数は、05年から4年連続で最下位となっている。
=2009/07/26付 西日本新聞朝刊=