衆院解散後初の週末となった25日、自民党県連は党実務者を集めた「政策セミナー」を開き、政権奪取を狙う民主党のマニフェスト(政権公約)の矛盾を徹底的に追及する戦略を確認。一方、民主党県連は、歯に衣(きぬ)着せぬ「爆弾トーク」で全国区の人気を誇る元民主党衆院議員の河村たかし名古屋市長を応援弁士に迎え、前哨戦で両党が早くも火花を散らした。
「民主党の政策がいかにまやかしであるか、しっかり勉強することが大事だ」。佐賀市で開かれた政策セミナーに集まった自民党県連の市町村支部長や職域団体支部長ら約330人を前に、佐賀3区から立候補を予定している前職の保利耕輔氏は力を込めた。
自民党への逆風が吹く中、選挙戦の最前線に立つ市町村支部長や職域団体の関係者がいかに反転攻勢のきっかけをつかむか。それが、「夢物語の民主党マニフェスト」をスローガンに政策論争に持ち込むことだった。
自民党のマニフェスト策定責任者である政調会長の保利氏は、約15分の講演で(1)外交(2)教育(3)憲法‐で民主党内の主張が割れていることや、「年金、子ども手当などで財源確保の見通しがない」と指摘し、最後に「自民こそが政権政党であることを天下に示す」とボルテージを上げた。
一方、河村氏は、いずれも民主前職で立候補を予定する1区原口一博氏と、2区大串博志氏が演説するJR佐賀駅前に駆けつけた。街宣車に上った河村氏は、自民党を平安時代の貴族に例え、「(自らの)給料を下げずに増税というのはなめている。平安時代の貴族だから、庶民の気持ちが分からない。(自民党は)そういう政治をつくってきた」と批判。「民主党には貴族の増税政治を打ち破って、庶民の減税政治をぜひやってほしい」と声を張り上げた。
この日は、昨年秋にいったん閉鎖した大串氏の“事務所再開き”が佐賀市久保田町であり、支持者ら約550人が集まった。大串氏は「今までの政治で良いのかと問われる大事な選挙。今回変えられなければ、変わらない」と呼び掛けた。
=2009/07/26付 西日本新聞朝刊=