【コラム】ソニー、サムスン、そしてアップル(上)
あれから20年もたたないうちに、「族譜」は大きく変わった。デジタルテレビはサムスンとLGが1、2位を占め、携帯電話もサムスン電子のAnycallなど、韓国製品が多く掲載されている。技術革新の象徴だった「ソニー王国」が韓国製品に押されたことは、大きな衝撃を与えた。
ソニーの技術革新には、常に「世界初」「日本初」という修飾語が付いて回った。第2次大戦直後の1946年、「東京通信工業」として発足したソニーは、日本で初めてテープレコーダーやトランジスタラジオを開発した。79年には携帯型ステレオカセットプレーヤー「ウォークマン」を発売し、世界的にブームを巻き起こした。また、世界で初めてCDプレーヤーを開発し、さらに94年には新たな概念の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」を世に送り出した。
だが、天下無敵のように思えたソニーが、2008年会計年度(08年4月-09年3月)には2900億円の赤字を計上し、今年初めには約1万6000人もの人員を削減する大掛かりな構造調整を断行せざるを得ないほどの苦境に立たされた。一方、ソニーがライバルという意識も持っていなかったサムスンは、今年第2四半期(4-6月)には32兆ウォン(約2兆4300億円)の売り上げを記録し、営業利益は2兆5000億ウォン(約1900億円)にも達した。
ソニーがこれほどまでに落ちぶれてしまった原因は、一言で言えば「自信過剰」だ。ソニーは技術に関しては、ほかのどのメーカーよりも自信があった。そして消費者たちは、最も優れたソニーの技術で作られた製品を必ず買うものと判断した。その代表的な例として、家庭用ビデオ市場で「ベータマックス」という独自の規格にこだわり、のけ者にされてしまったことが挙げられる。ライバルのメーカーは「ベータ」に見向きもせず、VHS方式のビデオデッキを発売した。消費者もコンテンツが豊富なVHSを選ぶようになり、ソニーはビデオ市場から撤退するという憂き目を見た。
金泳秀(キム・ヨンス)記者(産業部長)
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