【静岡】勤務医 県内出身は3分の1 浜医大県内病院アンケート2009年7月1日 小児科医は中部・西部の大都市圏偏在静岡県内で一般病床を持つ病院の勤務医のうち、県内出身者は三分の一にとどまることや、小児科医の6割近くが静岡や浜松を含む県中、西部の大都市圏に偏在しているなどの実態が、浜松医科大の地域医療学講座(山岡泰治特任教授)が行ったアンケートで分かった。 静岡県の人口当たりの医師数は全国平均の82%で全国で4番目に低く、医師不足の解消が課題。アンケートは、地域医療を守る方策を検討する材料とするため、同講座が2〜5月に一般病床を持つ県内の98病院を対象に実施した。回答は53病院で、回答率54%。 53病院の勤務医は約2950人。出身地で最も多いのは静岡県で構成比は32・7%。以下、東京都、愛知県などが続くが、これらの県外出身者で三分の二を占めた。出身大学も1位は静岡県の27・8%だが、ほぼ同様に県外の大学が多いという構成になった。県内の医学部は浜松医科大だけで、医師の確保に他県依存の傾向が出たとみられる。 常勤医のうち2050人を診療科別にみると、多い順に内科、外科、整形外科。全国的に不足が問題になっている小児科はこれに次ぐが、県内の8医療圏のうち、静岡、浜松を含む二つの医療圏の病院にほぼ3割ずつが在籍していた。 常勤医の勤続年数は、3年以下が約6割になる。勤続年数の短さは、病院勤務医の多くが出身大学の医局主導の人事ローテーションで交代しているためとみられる。 山岡特任教授は「小児科医は、絶対数が少ない上に地域偏在が激しい。医師不足を解消するには、魅力ある県となり県外から医師を呼び込む必要がある。調査結果を踏まえ、病院と住民、行政の連携で医師の適正配置などの方策を一緒に考えたい」と話した。
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