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「汗かかない」は危険!?体に異常起きている疑いも

汗をぬぐう男性(クリックで拡大)

 炎天下、タラ〜リ汗の同僚を尻目に「俺って汗をかきにくいかも」なんて涼しい顔の人は実は危ない。熱中症に罹りやすいばかりか、体に異常が起きている疑いも。暑けりゃ汗をかくのが当たり前。少ない汗に潜む病気に要注意だ。

 【神経、汗腺の異常】

 真夏に吹き出す“汗”は、暑さから身を守る体温調節機能(熱放出)がうまく働いている表れ。その汗をかきにくいというなら、体のどこかに異常が起きている可能性が十分考えられる。

 「体温調節機能は自律神経によってコントロールされている。だから中枢(脳)神経、脊ずい神経、末梢神経のどれかに異常があると汗が出にくくなる。また、皮膚病で汗を分泌するエクリン腺(汗腺)がつぶれても同じです」と話すのは、日本医科大学・腎臓内科の飯野靖彦教授。

 乾癬(かんせん)などの皮膚病、唾液や涙の分泌が低下するシェーグレン症候群の乾燥肌症状、先天性の無汗症などのケースは別にして、一般的に多い慢性疾患の“隠れ症状”で汗がかきにくくなる代表は「糖尿病」と「腎不全」だという。

 【糖尿病、高血圧を疑え】

 糖尿病の3大合併症といえば、神経障害、腎症、網膜症。どれも微小血管障害によって引き起こされる。神経障害では末梢神経がやられるので、当然、自律神経の働きが狂って汗をかきにくい。

 だが、さらに悪いのは血糖コントロールが悪いまま放置して腎症を併発してしまうケースだ。

 「腎不全で人工透析を受ける主な原因は、糖尿病(約40%)、腎炎(約20%)、高血圧(約10%)。国内の透析患者は400人に1人、28万人で毎年3万人増加している。このすべての人が汗をかきにくいといっていい」

 腎不全は、腎機能が正常時の50%を下回った状態。通常、尿中に排泄される老廃物が血液中に残る尿毒症になるので人工透析が必要になる。尿毒症の症状に自律神経障害や汗腺委縮があるのだ。

 【隠れ腎不全にも注意】

 国内の高血圧者は約4000万人といわれているが、実際、受診しているのは約700万人。糖尿病では、890万人が強く疑われ、1320万人が可能性のある予備軍、うち受診者は約250万人だ。これらの中で血圧・血糖管理を全くせずに、すでに腎不全になりかけている人はかなりの数にのぼるはずだ。

 実際、飯野教授が経験した症例では、30代男性で血圧200以上を放置したまま網膜症を起こし失明。そこで、はじめて高血圧、腎不全の治療を開始したケースもある。

 「糖尿病や高血圧の人は体に熱がこもりやすいので熱中症には要注意。また、汗をかきにくいと感じる人は、念のため血圧、血糖、腎機能を検査しておくべきでしょう」 後から気づいて“冷汗”なんてことのないように。

ZAKZAK 2009/07/21

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