ランチェスターの法則、法則使用による戦争の標準化
<上陸作戦>−−−−−−−
上陸側には非常に危険な作戦
(敵には身を隠す場所も砲弾を防ぐ防御施設もあるのに)
(上陸側は、丸裸で一目瞭然)
そのため弱者の法則を基本に作戦が組まれました
1.細かい地域情報まで含んだ情報収集
(敵戦力の実態を把握して弱点や攻撃に必要な投入兵力を計算する(三倍の兵力)のに重要)
2.陽動作戦で敵を分散し...
3.上陸地点へ一点集中した...
(注、細かく見ると、上陸できる限界密度がある、)
(この場合短時間に上陸するため並んで多数の部隊を上陸させた)
敵が大兵力で守備している大きな島の場合は、
地域分けして、個々の上陸予定地域での戦力比が
三倍になるように分割攻撃した...
このように常に敵より大きな戦力で戦闘できるように法則を忠実に守って攻撃した...
日本では、「アメリカの物量作戦」とのみ呼ばれて内容を検証しない傾向がありますが、
このように方程式に基づく計算された戦争の方法でした...
(あたかもやられる方には無尽蔵に敵がいるように感じられる。)
<「3:1」理論>−−−−−−−
弱者の逆転不可能な数値...
戦略戦方程式からみちびかれた戦力差が開くと均衡が保てなくなり勝ち目の無くなる数値比率...
この比率になった場合、小軍の一番有効な戦術は退却して無駄な損失を防ぐことになる。
(当然、引いた戦力は、比率の優位になる別の場所に回す...)
しかし、第二次大戦の日本軍には、撤退という言葉が無く撤退を恥と考える武士道と戦争を
混同したため無意味な出血を繰り返した...
(ヒットラーやスターリンの死守命令も同様の結果を招いた)
利なくば退却すべし、
敵味方の力関係はいつでも正確に把握していなければならない。
(戦争は数学になったのに日本は昭和になって精神論に逆行した...)
<攻者三倍の法則>−−−−−−−
ランチェスターの戦略式を使って解析...
正確な数値は、
戦力比(シュア)
絶対優位、0.738796=√8/(√8+1)
劣位分散、0.261204=1/(√8+1)
生産率比
三一理論、2.82842=(√8/(√8+1))÷1/(√8+1))=√8
三一逆数、0.353553=(1/(√8+1))÷√8/(√8+1))=1/√8
(注、(P/Q)=(m/n)戦力と生産力の比をほぼ同じと仮定)
ランチェスターの戦略によると
必勝数値が73.88、限界数値が26.12、
優劣を分ける分岐点が73.88÷26.12=2.828...≒3
(注、2.828...=(√8/(√8+1))÷1/(√8+1))=√8)
第2法則の支配する近代戦の場合場合二乗して2.828:1なので
√2.828:1=1.68:1になる
(厳密には√√8=1.6817928305074292)
しかし、陸上戦の場合は防御側の方が塹壕や防護施設を使えるので数段有利になる
そのため防御側を二倍の戦力として計算し、3.36...:1(0.5x2)になり約三倍ということになる。
(3.36...=3.3635856610148584)
最近の書籍では、あまりに旧軍が馬鹿に見えるのでこういうことはぼかして書き
重箱の隅をつつくような得点稼ぎをする書き方が横行しているため
新しい読者の戦略理解力は著しく落ちている?...
喧嘩のための数学、ランチェスターの法則ですが
数字に意味を持たせるためには、
正確な数値(正確な状況把握)が必要です。
軍隊の場合も自軍の戦場での進撃速度と戦力把握ができなければ
いくら計算式をたてても無意味に終わります。
(ナポレオンがいつも懐中時計を使ってタイミングを測っていた話や)
(日本軍がガダルカナルのジャングルで迷って戦期を逃した話は)
(有名)
この戦力見積もりに経験と研究が必要になり
簡単に数字を鵜呑みにできない部分になっています。
自軍の兵器と兵員の能力、敵の兵器と兵員の能力を正確に把握して
初めて使える数式がたてられます。
(マーケット用では敵味方のセールスマンの能力と商品の強さ...)
三一理論は勝ち負けの判定用で自軍の損害を減らすためにはもっと大きな比率で攻撃するほうが
有利です...
(戦場の限界密度に注意)
<敵兵力分断分割最適解>−−−−−−−
計略に乗り分断され最初の戦いに間に合わない兵力をQ=(00、からn0(1-Q)に減る。
交換比=1、としてm軍がn軍に勝つための条件は二次法則から
一回戦目
m02>{(1−Q)n02}2
は、
{(1−2Q+Q2)n02}
mの残存兵力は、
m02―{(1−2Q+Q2)n02}
となる。
二回戦目
m02―{(1−2Q+Q2)n02}>Q2n02
m02>(1−2Q+2Q2)n02>(1−2Q+Q2)n02
”(1−Q)2+Q2”
m軍の残存兵力は、
mt22=m02−(1−2Q+Q2)n02−Q2n02=m02―{(1−2Q+Q2)n02}
結局勝ための条件は、
m02>(1−2Q+2Q2)n02
になり
これに最小最大の原理を当てはめて...
一段階微分して0で計算
(d/dQ)=(1−2Q+2Q2)
4Q−2=0 −−−>Q=1/2
二段階微分して答えが0より大きい
(d2/dQ2)=(1−2Q+2Q2)=4>0
「Q=1/2」半分に分断するのが最適...
これを代入して
m02―{(1−2*(1/2)+2*(1/2)2)n02}
m02>(1/2)n02
m0>1/√2n0
答え、0.7071
これで、
敵を分断することができれば71%の戦力しかなくても勝てることが証明されました。
(ネルソン戦略の証明)
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