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【政治】

介護型療養病床の削減を中止 民主政策集、施設増設は3倍速に

2009年7月25日 06時31分

 民主党は25日までに、政府が2011年度末までの廃止を決めている介護型療養病床について、行き場のない介護難民を生まないよう削減を中止し、必要な病床数を確保することを、衆院選マニフェスト(政権公約)の基になる政策集に盛り込んだ。

 併せて約40万人とされる介護施設の入所待機者の解消に向け、グループホームや特別養護老人ホームなどを、地方自治体の整備計画の約3倍のスピードで増設する。

 ただ、療養病床の維持や介護施設整備に必要な予算規模や具体的な財源は明示しておらず、与党が「現実的な裏付けがない」などと批判を強めることは必至だ。

 療養病床は慢性疾患の高齢者らが長期入院する病床。政府は医療制度改革の一環として、医療保険が適用される医療型と介護保険適用の介護型の計35万床(06年度時点)を、12年度末までに医療型のみの22万床に削減する計画。コストがより低い介護施設などへの転換を進め、社会保障費の抑制につなげたい考え。

 だが、主な転換先とされる「介護療養型老人保健施設」(新型老健)については、病院関係者から「療養病床並みのサービスは提供できない」との声が上がっていた。

 このほか政策集は、介護現場の人手不足解消策として、事業者に支払われる介護報酬を7%アップし、介護職の賃金を月4万円程度引き上げることを掲げた。「利用者の自己負担増や保険料上昇につながらない方法で行う」としたものの、財源措置には言及していない。

 介護の必要度を評価する要介護認定については、4月から実施された新たな基準で「実際より軽く認定されるのではないかという不安が高まっている」と指摘。生活実態やニーズが適切に反映されるよう見直す。

(共同)
 

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