巻頭インタビュー
関岡渉氏(当時プロデューサー)はこちら
富野監督編
富野監督写真 富野由悠季
(とみのよしゆき)

1941年 神奈川県出身。
64年11月「鉄腕アトム」96話で演出デビュー。
72年の「海のトリトン」で初のチーフディレクター。
その後「ザンボット3」 「ダイターン3」「機動戦士ガンダム」の三部作で“リアルロボット”のジャンルを確立する。


●ガンダムの構想はどこから?
 ガンダムの舞台となったスペースコロニーの概念など、イメージはほとんど全て中学の時に出来上がっていたものです。
ぼくの中学時代は、人類が月面着陸してすでに10数年たっていたんですよ。しかし、本当の意味が十分理解されていませんでした。 また、当時アニメというとマンガチックなものばかりだったので、物語らしい、SFらしいものにチャレンジしたかったんです。名古屋テレビも局の都合を言わずじっと我慢してくれましたので、あのような物語が作れたのです。

●ニュータイプの発想はどこから?

 実は、当時の僕のリアルな環境や体験が言葉になったものなんですよ。
当時、アニメにある種の固定観念をもっている人を“オールドタイプ”と 言ったのに対して“ニュータイプ”という訳です。(笑)

●魅力的なキャラクターの秘密は?

 シャアは自分の願望なんです。組織や体制にとらわれず、おまえぐらい自由に泳がせてやりたい、といった気持ちだったんです。アムロはむしろ、自分にとっての重い部分、現実そのものです。神経質で感じやすく、それゆえに何もできない・・・。売れるキャラクターを作ろうとすると視聴者に見抜かれます。だからふざけて作るわけにはいかないので、本気が出るんです。

●ファンの皆さんに一言
 当時15歳の方だったら、ことし35歳ですよね、そろそろ忘れていいんじゃないのかなと思います。
今、20代の方だったら、後追いするより自分達にとってのガンダム的なものを探して欲しいですね。


●監督のこれからの目標は?
 当面の目標は「マトリックス」を超えるものを創りたい。(笑)
電脳やサイバーと言われて7〜8年ですよね。いつまでも電脳じゃないだろう、ということです。


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