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体内時計:炭水化物減らすと4~8時間進む

 マウスに、炭水化物を極端に減らし脂肪分を増やした餌を食べさせると、体内時計が4~8時間程度進むことを産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の大石勝隆・生物時計研究グループ長らが見つけた。将来は、食事の工夫で時差ぼけを改善したり、眠りの時刻がずれて夜更かし・朝寝坊になる睡眠障害などの治療につながる可能性があるという。

 米科学誌「動脈硬化、血栓症、血管生物学」電子版に24日、論文が掲載された。

 炭水化物を極端に減らした食事をとると、エネルギーを脂肪から作り出すため、体内の脂肪分解が進むことが知られている。

 以前から脂肪分解と体内時計の関係を調べてきた研究チームは今回、「炭水化物0.73%、脂肪94.8%」という特殊な餌(ケトン体食)を作り、マウスにこの餌だけを14日間、食べさせた。その後、体内時計遺伝子の一つで、24時間弱の周期で働きが変わる遺伝子「ピリオド2」の働きを調べた。

 すると、働きが最も強まる時刻が、通常の餌を食べたマウスより4~8時間早まり、変化の周期も15~20分短くなった。一方で、血液中で血栓を溶かしにくくする成分「PAI-1」の濃度が、通常の3~4倍になっていた。

 大石グループ長は「今後、体内時計を調節するメニューが開発できるかもしれない。しかし、心筋梗塞(こうそく)などを起こしやすくなる可能性もあり、注意が必要だ」と話している。【高木昭午】

毎日新聞 2009年7月24日 20時47分

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