大垣共立銀行(岐阜県大垣市)は16日、同県北方町の北方支店に勤務していた男性行員(26)が顧客の預金計約1450万円を着服・流用していたと発表した。本人からの届け出で判明し、調査に対し「FX取引(外国為替証拠金取引)に使った」と話したという。同行は5月29日付で懲戒解雇処分とした。
同行によると、行員は4月8日~5月1日、顧客から依頼された普通預金への入金を1日遅らせるなどの手口で、3件約850万円を流用、4件約600万円を着服した。5月1日に自ら支店長に届け出たという。
行員は07年夏ごろからFX取引を始め、08年9月の米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)後、相場の大幅な変動により損失が大きくなっていたらしい。同行の調査に「回せなくなり、手をつけた」と話したという。
当初は1日だけの流用で、翌日には入金し、顧客には「事務的ミス」と説明して了承を得ていたために銀行側も気付かなかった。既に全額が親族から弁済されており、同行は刑事告訴はしない方針。【子林光和】
毎日新聞 2009年7月16日 23時20分