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防府市 避難勧告出し忘れる、被災ホーム周辺地区に

岩や倒木が流入した勝坂地区の民家(23日午前8時8分、山口県防府市で)=香月大輝撮影

 防府市が、特別養護老人ホーム「ライフケア高砂」がある同市真尾(まなお)南郷地区で土石流が発生した後、同地区での二次災害の危険性を認識していながら、避難勧告を出し忘れていたことが23日、わかった。松浦正人市長は同日、報道陣に対し、「想定外の豪雨でドタバタしていた。勧告を出さなかった責任は私にある」と釈明した。

 同市は、老人ホームから約1・5キロ離れた真尾下郷地区には21日午後5時過ぎに避難勧告を出していた。しかし、南郷地区では被災を免れた民家が残っていたにもかかわらず、勧告を出し忘れたという。一部の住民がまだとどまっている。

 倒壊の我が家に涙、避難住民が一時帰宅

 豪雨災害から3日目となった23日、防府市では、公民館などに避難している住民が一時、自宅に戻った。土砂が流入し、倒壊した家屋を目の当たりにして涙ぐみ、座り込む女性の姿もみられた。

 同市の右田公民館に身を寄せている勝坂地区の男性(54)は、息子(24)と2人で家に帰った。自宅の裏山が崩れ、床下に大量の土砂が流入していた。男性は積もった土をスコップでかき出しながら、「疲れだけが残る」と大きくため息をついた。

 近くの女性宅では、流木が壁や窓ガラスを突き破っていた。玄関は約2メートルの高さまで積もった土砂で埋まり、室内の家具は散乱していた。女性は、土砂に埋まらなかった衣類や書類などをかき集めて、ビニール袋に入れていた。

2009年7月24日  読売新聞)
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