覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された東京都の男性が、警視庁の誤った報道発表で名誉を傷つけられたとして、都に165万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(渡辺等裁判長)は16日、22万円の支払いを命じた1審判決を取り消し、請求を棄却する逆転判決を言い渡した。
男性は「05年8月に覚せい剤使用で交番に自首した」と主張したが、都側は「挙動不審なため警察官が職務質問したところ、使用を申告した」と反論。1審は男性の主張を認め、「職務質問が端緒」との愛宕署の報道発表は違法と判断したが、高裁は「男性の説明は矛盾があり信用できない」と指摘した。
男性は05年10月、刑事裁判で自首の成立が認められ、執行猶予付きの有罪判決を受けている。【伊藤一郎】
毎日新聞 2009年7月16日 21時41分