私立早稲田中学(東京都新宿区)が都立高入試の資料として自分の成績を区・都教委に提出したのはプライバシー侵害として、卒業生の男性が同中を経営する学校法人「早稲田高等学校」と都、区に200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(稲田龍樹裁判長)は16日、3万円の支払いを命じた1審判決を取り消し、請求を棄却する逆転判決を言い渡した。
早稲田中は04年、新宿区教委の要請で、都立高入試の合否判定資料として3年生全員の成績を提出した。1審は「都立高に出願しない原告の分も提出する必要はない」と判断したが、高裁は「提出は長年、合理的な制度として機能している。成績が不特定多数の目に触れる状態に置かれるわけではない」と指摘した。【伊藤一郎】
毎日新聞 2009年7月16日 21時37分