2009年7月23日23時4分
羽田空港に着いた仲田敬行容疑者=23日午後10時39分、越田省吾撮影
千葉市の団地で豊田愛子さん(61)が殺害され、次女の智美さん(22)が連れ去られた事件で、指名手配されていた仲田敬行容疑者(28)が那覇市内で捕まった。千葉市から栃木県を経て那覇市と2千キロ近く連れ回された智美さん。普通のカップルに見られたが、警察に「怖かった」と話しているという。
仲田容疑者は那覇市中心部の繁華街で身柄を確保された。抵抗しなかったという。一方、智美さんは保護された時にはおびえた様子をみせたという。
仲田容疑者は19日夕に沖縄県に入り、智美さんと一緒に2日連続で繁華街の携帯電話ショップを訪れていた。
同店の店長(40)によると、仲田容疑者は22日午後5時ごろ、智美さんとともに同店を訪れ、携帯電話の新規契約を申し出た。「2人とも帽子にサングラス。旅行で来たと言っていた。男は笑顔で、普通のカップルに見えた」と言う。
2人が帰ったあとに捜査員が来た。示された写真に似た2人が来たことを告げると、「また来ることがあれば連絡してください」と言われた。
23日午後3時ごろ、2人は再び店に姿を見せた。仲田容疑者は笑顔で「また来ました」と言った。「まさか来るとは」。店長が警察に通報する一方、女性スタッフが一般の客と同様に対応し続けた。
店内は込み合っていた。2人が手続きを終えて店を出たのは同4時半ごろ。店外では、何十人もの私服警官が待ちかまえており、仲田容疑者はすぐに囲まれた。智美さんは女性警官に抱えられたという。
店長は「順番待ちの時に逃げられたらどうしようとか、暴れられたらどうしようかと不安だった」。対応した女性スタッフは「震える思いでした」と話した。
近くにいた男性(51)はこの直前、車内で待機したり、携帯で連絡をとったりする多くの捜査員らしき人たちが通りにいるのを見て不審に思った。店から出てきた男は、囲まれると暴れたり声を上げたりはせず、おとなしく車に乗せられた。「男は細身ですらっとして、黒っぽいハットでおしゃれな格好だった」という。智美さんは別の車に乗せられた。