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◆インターネットを安心して利用するには。
インターネット環境は高速で快適になってきたが、その半面、金銭目的の詐欺といった危険や犯罪も増大している。インターネットを安心して利用するためのセキュリティー対策を解説する。
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2000年ごろを境に、金銭の詐取を目的とするネット詐欺が急増している。本物とそっくりな偽サイトへ誘導し、個人IDやパスワード、口座番号などを盗み出す「フィッシング詐欺」、パソコンがウイルスに感染したとうそのメッセージを表示し、偽のセキュリティーソフトを売りつける「ランサムウエア」(身代金詐欺)=画面<上>=など被害報告は後を絶たない。
また、アダルト、ドラッグ関連サイトを中心に、クリックしただけで入会金や登録料と称して金銭を要求する「ワンクリック詐欺」もある。ここ1年は手口が巧妙化し、利用規約や料金をわかりにくく表記し、「はい」を押すように仕向けて2回以上クリックさせ、確認しなかったのが悪いと思い込ませる「ツークリック詐欺」も増えている。
防ぐには、料金請求画面が出ても、個人情報が漏れることはないので無視すればいい。また、相手のアドレスや電話番号には一切連絡しない。
最近の不正行為の手口は、トレンドマイクロ社のウェブサイトの「サイバー犯罪者たちの告白」(http://www.trendmicro.co.jp/kokuhaku/)という動画を参考にしよう。
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不正行為に巻き込まれないよう、しっかりとしたセキュリティー対策をしたい。
ポイントは、OS(基本ソフト)やソフトのセキュリティーホール(不正侵入を許す不具合)をふさぐ更新プログラムのインストール▽総合セキュリティー対策ソフトの導入▽怪しいサイトには近寄らない--の三つだ。
まず、更新プログラムは不正プログラムの侵入を阻止するために必須だ。Windowsは「Windows Update」から入手するので、自動インストールするように設定しておこう。
XPなら「コントロールパネル」→「セキュリティセンター」→「セキュリティの設定の管理」欄の「自動更新」をクリックし、「自動(推奨)」を選び、更新時刻を適宜選択する。ビスタは「スタート」メニュー→「すべてのプログラム」→「Windows Update」をクリックする。さらに、画面左側の「設定の変更」をクリックし、「更新プログラムを自動的にインストールする」を選んで更新時刻を指定すればいい。
デスクトップ右下の通知領域にメッセージが出たら必ず内容を確認しよう。「重要な更新」と表示されたらソフトをインストールしたり、黄や赤の盾のマークが出たらクリックして画面に従い対処しよう。
また、使っているソフトのセキュリティー関連のアップデート情報が公開されたら、面倒がらずに、その都度インストールしよう。
次に、総合セキュリティー対策ソフトの導入だ。ウイルスやスパイウエアの侵入を阻止するだけでなく、迷惑メールや不正なサイトへのアクセスなどを総合的に監視し、ブロックしてくれる。注意点は、対策ソフトを常に起動させておくことと、最新のウイルスに対応できる定義ファイルを入手することだ=画面<下>。
ユーザーの心がけも重要になる。怪しいサイトにはアクセスせず、万一見つけても興味本位でクリックをしないこと。
次回(8月7日)は「パソコンでデジカメ写真を上手に管理する方法」を解説します。<テクニカルライター・小野均>
毎日新聞 2009年7月24日 東京朝刊