What's new
日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2009.07.24
ARF 北に包括解決迫る 米、ミャンマーに離反促す
カテゴリASEAN出典 産経新聞 7月24日 朝刊
記事の概要
タイで開催中のASEAN・ARF(地域フォーラム)で、クリントン米国務長官は23日、従来の段階的な北朝鮮の非核化措置に応じて見返りを与えるやり方を見直し、北朝鮮が完全な非核化でなければ見返りを与えない「包括的解決案」の受け入れを迫った。
今までのやり方では、北朝鮮に交渉の余地や時間稼ぎを許したという反省がある。
北朝鮮が完全非核化を受け入れた場合、米側は「完全な関係正常化と(北朝鮮の)恒常的平和、大規模な経済・エネルギー支援などを行う」とし、受け入れなければ国連制裁決議に加え、米国独自の金融制裁を行うことを示唆している。
一方、ロイター通信はプーケット(ARF会場)で23日夜、米国務省高官とミャンマー政府側が直接会談し、北朝鮮制裁の完全な実施を求めたと報じた。クリントン国務長官は23日、ミャンマー側が制裁決議の履行を支持したと高く評価した。
米国はミャンマーのアウン・サン・スー・チーさんの解放を求め、これまでミャンマーとの直接交渉を避けてきた。今回のミャンマーと直接交渉したことで北朝鮮問題を最優先にしていることを鮮明にした。
今後、米国の思惑通り、北朝鮮を「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」(CVID)に追い込めるか、本格的な駆け引きが始まった。
タイで開催中のASEAN・ARF(地域フォーラム)で、クリントン米国務長官は23日、従来の段階的な北朝鮮の非核化措置に応じて見返りを与えるやり方を見直し、北朝鮮が完全な非核化でなければ見返りを与えない「包括的解決案」の受け入れを迫った。
今までのやり方では、北朝鮮に交渉の余地や時間稼ぎを許したという反省がある。
北朝鮮が完全非核化を受け入れた場合、米側は「完全な関係正常化と(北朝鮮の)恒常的平和、大規模な経済・エネルギー支援などを行う」とし、受け入れなければ国連制裁決議に加え、米国独自の金融制裁を行うことを示唆している。
一方、ロイター通信はプーケット(ARF会場)で23日夜、米国務省高官とミャンマー政府側が直接会談し、北朝鮮制裁の完全な実施を求めたと報じた。クリントン国務長官は23日、ミャンマー側が制裁決議の履行を支持したと高く評価した。
米国はミャンマーのアウン・サン・スー・チーさんの解放を求め、これまでミャンマーとの直接交渉を避けてきた。今回のミャンマーと直接交渉したことで北朝鮮問題を最優先にしていることを鮮明にした。
今後、米国の思惑通り、北朝鮮を「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」(CVID)に追い込めるか、本格的な駆け引きが始まった。
コメント
オバマ政権が誕生して、アメリカはイラク、アフガン、金融危機、戦略核など、重要な問題で多忙だった。
そこで北朝鮮がアメリカの関心を引くために、テポドンミサイルの発射(4月)、核実験(5月)を行った。
しかし北朝鮮のどう喝で招いた結果は散々なことになった。それが今回のARFで鮮明になった。北朝鮮はミャンマー、中国からも、さらに孤立化を深めてしまったのだ。
暴力団のように暴れれば何かが手に入るような考えが通用する国際社会ではない。
それにしても、ミャンマーが6月の国連安保理決議の1874(北朝鮮制裁決議)の履行を約束するとは驚いた。これはアメリカ国務省の事前の根回しよりも、ミャンマーに中国の指示(暗黙の了解を含む)があったからだと思う。
今回のARFでは、出席した中国代表も北朝鮮の核武装化に反対を表明している。軍事政権で孤立しているミャンマー政府にとって中国と別の主張をすることは難しい。
また、アメリカもブッシュ政権で一度は捨てた(北朝鮮に対して)「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」(CDID)に戻ったことで、北朝鮮に妥協はできなくなった。
ところで日本には北朝鮮崩壊に備えた準備があるのだろうか。私が知る範囲では、@日本の政府備蓄米を韓国を通じて北朝鮮に緊急支援する。A韓国を通じて200億ドルの緊急経済支援を行う。B北朝鮮から日本に逃れた北朝鮮難民は韓国に送還する。ぐらいのものである。
武装難民問題、感染症対策、北朝鮮国内の大量破壊兵器(毒ガス・細菌兵器)の無害化処理など、自衛隊が担当する部門は決して少なくない。
オバマ政権が誕生して、アメリカはイラク、アフガン、金融危機、戦略核など、重要な問題で多忙だった。
そこで北朝鮮がアメリカの関心を引くために、テポドンミサイルの発射(4月)、核実験(5月)を行った。
しかし北朝鮮のどう喝で招いた結果は散々なことになった。それが今回のARFで鮮明になった。北朝鮮はミャンマー、中国からも、さらに孤立化を深めてしまったのだ。
暴力団のように暴れれば何かが手に入るような考えが通用する国際社会ではない。
それにしても、ミャンマーが6月の国連安保理決議の1874(北朝鮮制裁決議)の履行を約束するとは驚いた。これはアメリカ国務省の事前の根回しよりも、ミャンマーに中国の指示(暗黙の了解を含む)があったからだと思う。
今回のARFでは、出席した中国代表も北朝鮮の核武装化に反対を表明している。軍事政権で孤立しているミャンマー政府にとって中国と別の主張をすることは難しい。
また、アメリカもブッシュ政権で一度は捨てた(北朝鮮に対して)「完全かつ検証可能で後戻りできない非核化」(CDID)に戻ったことで、北朝鮮に妥協はできなくなった。
ところで日本には北朝鮮崩壊に備えた準備があるのだろうか。私が知る範囲では、@日本の政府備蓄米を韓国を通じて北朝鮮に緊急支援する。A韓国を通じて200億ドルの緊急経済支援を行う。B北朝鮮から日本に逃れた北朝鮮難民は韓国に送還する。ぐらいのものである。
武装難民問題、感染症対策、北朝鮮国内の大量破壊兵器(毒ガス・細菌兵器)の無害化処理など、自衛隊が担当する部門は決して少なくない。