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仲介会計士数十億脱税、帰国後立件へ 旧グッドウィルの会社買収で東京地検

7月24日2時18分配信 産経新聞

 東証1部上場だった人材派遣大手の旧グッドウィル・グループ(GWG、現ラディアホールディングス、東京都港区)による人材派遣会社の買収をめぐり、大阪市の公認会計士(51)が社長を務めていたファンド運営会社が、買収仲介で総額300億円相当の巨額利益を得ながら、適正な税務申告を行わず、数十億円を脱税していた疑いの強いことが23日、捜査関係者の話で分かった。東京地検特捜部は法人税法違反(脱税)容疑での立件に向け、関係者から事情を聴くなど捜査を進めている。

 捜査関係者によると、会計士は今月上旬、特捜部の任意聴取を複数回受けた後、海外に出国した。特捜部は帰国後、聴取を再開させるとみられる。会計士側は買収仲介で得た約131億円相当の株式を適正に申告していなかったほか、架空経費も多数計上。最終的な所得隠しの総額は50億円以上に上るとみられる。

 この会社は「コリンシアンパートナーズ」(東京都港区)。ファンド関係者によると、会計士は平成18年10月、人材派遣大手「クリスタル」の創業者が会社を売却する意向であることを知り、GWGに買収を提案。売却条件が「同業社以外」となっていたため、投資ファンドを通じてGWGがクリスタル株を取得するスキームを考案したという。

 受け皿となったファンドは、パートナーズ社が代表を務める「コリンシアン投資事業有限責任組合弐号」。実際にはGWG以外の出資者はいなかったが、会計士はGWGに「ファンドへの出資総額は約1185億円」と虚偽の取引内容を説明。GWGは別の投資ファンドを通じ同ファンドに約883億円を出資した。

 同ファンドはクリスタルの発行済み株式の約91%(5万1825株)を約500億円で取得し、GWGは虚偽の出資比率に基づき、このうち74%、全体では約67%を取得して子会社化。同ファンドには差額として約380億円と1万3635株(約131億円相当)が残った。

 このうち、約180億円とクリスタル株を会計士のパートナーズ社が受け取り、約200億円を出資したとされた格闘技団体代表らが分け合ったという。

 捜査関係者によると、会計士はクリスタル株について適正に税務申告していなかったほか、約180億円についても架空経費を計上するなど法人所得を圧縮して申告していたとされる。

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最終更新:7月24日2時18分

産経新聞

 

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