台湾:日本統治時に建設のダム、世界遺産目指し署名運動

2009年7月22日 19時42分

 【台南県(台湾南部)大谷麻由美】金沢出身の八田与一技師(1886~1942年)が日本統治時代の1920年から10年がかりで台南県に建設した烏山頭ダムの世界遺産登録を目指す署名運動が22日、台南県六甲郷の嘉南小学校で始まった。台湾は国連とユネスコ(国連教育科学文化機関)にも加盟していないため単独で世界遺産への登録申請はできない。署名運動を盛り上げ、日本の協力を求めたい考えだ。

 署名運動は台湾大学や台南芸術大学など約20団体からなる推進連盟が進めている。

 同小学校は、ダム建設のため台湾に来た日本人技術者らの子供たちのために建てられた。

 烏山頭ダムは当時、アジア一の規模を誇り、ダムと網の目に広がった給排水路のかんがい施設は干ばつに悩む嘉南平野を台湾最大の穀倉地帯に変え、農業文化を発展させた。現在も飲料水、農業用水、工業用水の供給源となっている。

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