皆既日食、学生たちの奮闘記「月影を撮れ」
[07/23 18:31]
多くの人が月によって太陽が欠ける様子を撮影したきのう、空中から地球に映る月の影をとらえようとした人たちがいました。撮影時に使用したのは、「バルーンサット」。いわゆる気球です。気球を使って、皆既日食に挑んだ学生達を追いました。準備地球に映る月の影の撮影に挑戦したのは河瀬裕美さんを中心とした和歌山大学、学生自主創造センターで活動する学生11人です。使用したバルーンサットとは気象庁も利用している高高度観測用バルーンのことで気球のアマチュア版のようなもの。河瀬さんたちはビデオカメラや現在位置を確認するためのGPSなどを乗せたバルーンサットを太陽が欠け始める時間に合わせて空へ放ち、地球に映る月の影を撮影しようとしたのです。バルーンサットが成功すれば、日本の学生としては初めての快挙。否応なしに緊張感が走ります。空に気球を放したメンバーは、映像やバルーンサットの位置を確認するため、東市来にある映像を受信する地上局へ走ります。バルーンサットを空に放してからおよそ1時間後、通信を担当する地上局は、緊張感にあふれていました。ついさっきまで来ていた位置情報を知らせるGPSの信号が届かなくなってしまったのです。バルーンサットからの映像が届きました。しかし、残念ながら、月の影の撮影はできませんでした。日食中のバルーンサットの高度が足りなかったのです。更に、GPSが回復しない為、バルーンサットがどこを飛んでいるかがわかりません。このままだと、バルーンサットに備えつけたビデオカメラの回収ができません。GPSの電波は途切れたまま、バルーンサットはどんどん上昇し、気圧差により風船が破裂。位置が特定できないままバルーンサットは落下してしまいました。残念ながら地球に映る月の影を撮影することには失敗してしまったようですが、このバルーンサット、実験後の解析によると、どうやら霧島の山のあたりに落ちている可能性が高いということです。
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