札幌市の投資関連会社「オール・イン」が、金融庁に無登録で外国為替証拠金取引（ＦＸ）に関与するなどしたとして、北海道警は２０日、金融商品取引法違反（無登録営業）と特定商取引法違反（不実の告知）の疑いで、同社本社や仙台市の関連会社など数カ所を家宅捜索した。

　同社は２００７年ごろから会員募集を始め、全国約２万人の会員から１００億円を超える資金を集めていたとみられており、道警は取引の実態について解明を進めるとともに、出資金の運用が適切でなかった疑いもあるとみて調べる。

　捜査関係者などによると、同社は無登録でＦＸに関与したほか、取引などの過程で会員にうその説明をした疑いが持たれている。また、同社は会員が同社のＦＸの自動売買ソフトを利用できるようにしたとされ、道警は同社のこうした行為が、金融商品取引法が禁じた投資助言に当たる疑いもあるとみている。

　道財務局は昨年、ＦＸを自動で行うソフトウエアについて「会員制で販売やレンタルする行為は『投資助言・代理業』に該当し、登録が必要」として、ホームページで注意を呼び掛けていた。

　オール・イン本社が入居する札幌市北区のビルには道警の捜査員数十人が捜索に入り、２０日夜までに段ボール数百箱分の契約書類や銀行口座関連の資料などを押収した。