【記者手帳】双竜自社員のため息
イさんは6月27日、同僚ら3000人余りとともに工場の正常化を求めて平沢工場に入ったところ、ストを行っていた組合員が投げた火炎瓶に当たって、両ふくらはぎをやけどした。
やけどした部分をメスで切り取り、9日には太ももの肉をふくらはぎに移植するという大手術を受けた。先週まで大小便も横になったまませざるを得ない状態で、今でも車いすなしに動くことはできない。
そんなイさんだが、「腹立たしいし悔しいが、ストをしている同僚を恨んではいない」と語る。イ・さんは「火炎瓶を投げたり、空気銃を撃ったりしているのは、全国金属労働組合などの外部勢力や一部の組合員だ。双竜自の労組組合員のほとんどは仕方なく工場にとどまっている」と語った。
イさんによると、被害者は自分だけではないという。「生活のためにストをしている600人の同僚や、職を失い、肉体労働をしながら日当をもらっている人たち(非解雇社員)すべてが被害者だ」というイさんの言葉の通り、61日目に入った同社のストは、すべてを被害者にしてしまった。解雇された組合員はもちろん、解雇されていない社員も3月に月給の半額を受け取って以降、給料を手にしておらず、1670人の希望退職者は退職金をもらっていない。同社の取引先300社のうち120社が廃業し、地域経済も崩壊した。
イさんは「工場が正常化されたら、良質の新車を作って会社を再生し、解雇された人々を工場に呼び戻すことが、残された人間の務めだ」と語る。しかし、労組による工場占拠によって、会社は破産への道をひた走っている。労組側は「共生しよう」と呼びかけているが、結局は「みんなで犬死に」する道を歩んでいるというわけだ。イさんは「工場に復帰したら死ぬ気で働いて、必ず会社を再生させる自信があるのに…」とため息をついた。
パク・シヨン記者(社会政策部)
- 双竜自スト:「完全武装」した労組 2009/07/22 13:57:31
- 【コラム】3年前に目にした「北朝鮮の屈辱」(下) 2009/07/23 16:57:14
- 【コラム】3年前に目にした「北朝鮮の屈辱」(上) 2009/07/23 16:56:45
- 【社説】メディア法が抱える課題(下) 2009/07/23 11:41:28
- 【社説】メディア法が抱える課題(上) 2009/07/23 11:41:13
- 【社説】風俗店から裏金を受け取る警察官 2009/07/23 10:55:01
- 【7月23日】「韓国伝道師」オバマ大統領 2009/07/23 07:44:28
- 【コラム】韓国版「親分・子分」政治(下) 2009/07/22 17:05:53
- 【コラム】韓国版「親分・子分」政治(上) 2009/07/22 17:05:48
- 【萬物相】ベトナム戦争参戦45周年 2009/07/22 16:00:04
- 【記者手帳】双竜自社員のため息 2009/07/22 13:58:08