旧ライブドアホールディングスのLDH(東京都港区)は26日、東京都内で株主総会を開き、1株当たり6500円、総額約680億円の配当案を賛成多数で可決した。証券取引法違反に問われた06年のライブドア事件以降、同社は事業売却を進め、09年3月末時点で約1080億円の現金・預金を保有しているが、その約6割を配当にあてることになる。
LDHは09年3月期連結決算で576億円の最終(当期)赤字を計上している。しかし、主力のインターネット事業を行う傘下の現ライブドアには「多額の設備投資を必要とする計画はない」とし、株主に還元することにした。
ただ、LDHは旧ライブドアの経営陣に対し、事件に伴う損害賠償を請求しており、第2位株主で発行済み株式の約17%を保有する堀江貴文元ライブドア社長には配当金は支払わない方針。また、LDHは株主などからの損害賠償請求12件を抱えるが、賠償に備えた資金は確保済みという。
同社の上位株主は堀江氏を除き、投資ファンドや外資系金融機関が占めている。旧ライブドアは06年4月に上場廃止になり、事件に伴う株価の下落で株式を売却できずに保有し続けた個人株主も多い。
企業と株主との関係に詳しい野村証券金融経済研究所の西山賢吾シニアストラテジストは「事件で不都合を被った株主に配慮した特殊なケースではないか。以前のライブドアのように会社を拡大しないので、手元にある資金は株主に還元することを決めたのだろう」と話している。【田畑悦郎】
毎日新聞 2009年6月26日 21時07分(最終更新 6月26日 23時59分)